◆いびきがある人39人が対象
研究班は、いびきの症状がある、40代前後の患者39人を対象として、中咽頭トレーニングを行うグループ(治療群)と、空気の通り道を広げる鼻ダイレーターなどで治療するグループ(対照群)に分け、それぞれ3か月の治療を行いました。
◆中咽頭トレーニングでいびきが減少
次の結果が得られました。
対照群では有意な変化は起こらなかった。対して、治療群に割り付けられた患者では1時間当たり36dBを超えるいびきの指数が有意に減少し(99.5[49.6-221.3] vs 48.2[25.5-219.2]、P=0.017)、1時間当たりの総いびき指数も有意に減少した(60.4[21.8-220.6] vs 31.0[10.1-146.5]、P=0.033)。
対照群ではいびきの重症度に変化が見られませんでしたが、中咽頭トレーニングを行った群ではいびきが少なくなりました。
研究班は「中咽頭運動は客観的に計測されたいびきを減らす効果があり、いびきに困っている多数の人々を治療しうる」と結論しています。
睡眠時の呼吸の状態が悪いと、日中の眠気などにつながると考えられています。この結果だけで中咽頭トレーニングの効果を判断することはできませんが、治療の試みのひとつとして参考になるかもしれません。
執筆者
Effects of Oropharyngeal Exercises on Snoring: A Randomized Trial.
Chest. 2015 Sep 1
[PMID: 25950418]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。