2015.09.21 | ニュース

中年で太っていた人は、アルツハイマー病の発症が早かった

1,394人のデータ分析による検証
from Molecular psychiatry
中年で太っていた人は、アルツハイマー病の発症が早かったの写真
(C) Sergey Furtaev - Fotolia.com

アルツハイマー病は、記憶や思考が徐々に障害されていく病気です。現在の医療において、この病気を完全に治したり予防したりすることは困難です。今回、研究グループは、アルツハイマー病になる年齢を早める要因として肥満に着目しその影響を調べました。

◆13.9年にわたり1,394人のデータを分析

研究グループは、肥満度指数(BMI、体重÷身長の2乗)とアルツハイマー病発症年齢、重症度などを調べることを目的に、13.9年にわたる追跡調査により、調査開始時には認知機能が正常だった1,394人のデータを分析しました。

 

◆太ると早くアルツハイマー病に

1,394人中142人がアルツハイマー病を発症しました。50歳時点のBMIが1増加するごとに、アルツハイマー病の発症が6.7ヵ月早いという関連が示されました。

研究グループは、「結論として、中年の過体重は、アルツハイマー病の発症が早く、アルツハイマー病の神経病理学所見がより重度になることを予言する」と述べています。

 

この研究の方法では必ずしも肥満アルツハイマー病の原因とは断定できませんが、以上の関連が見られたことから、肥満を予防することで、予防が困難とされていたアルツハイマー病の発症を遅らせることができるかどうかという視点が示されました。アルツハイマー病の予防について、さらなる研究が期待されます。

執筆者

NK

参考文献

Midlife adiposity predicts earlier onset of Alzheimer's dementia, neuropathology and presymptomatic cerebral amyloid accumulation.

Mol Psychiatry. 2015

[PMID: 26324099]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。