2015.09.09 | ニュース

心臓のカテーテル手術前の不安をマッサージが和らげる

ランダム化比較試験により検証

from Psychiatria Danubina

心臓のカテーテル手術前の不安をマッサージが和らげる の写真

心臓手術前には誰しもが落ち着かない気持ちになるものです。今回の研究は、心臓のカテーテル手術である経皮的冠動脈形成術の術前の不安を、マッサージにより軽減できないか検証しました。不安だけでなく、痛みにも効果があるという結果が得られました。

◆マッサージ群と対照群に分けて比較

経皮的冠動脈形成術を行う117名を、マッサージを受ける群と受けない対照群にランダムに分け、不安や痛み、心拍数などへの効果を検証しました。

マッサージは、頭、首、背中、肩を中心に20分間行いました。

 

◆マッサージを行うと不安、血圧、心拍数、痛みに有効

以下の結果が得られました。

マッサージ治療は、経皮的冠動脈形成術前の心血管系患者の緊急反応や不安レベルを減少した。 マッサージ治療後の血圧、心拍数、痛みスコアは介入群において、対照群のそれよりも有意に良好だった(p<0.05)。

心臓のカテーテル手術前の患者にマッサージを行うと、不安や痛みは改善し、血圧や心拍数も減少するという結果でした。

 

マッサージにより心臓のカテーテル手術前の不安が解消するメカニズムは明らかになっていません。リラクセーションとしてよく知られているマッサージですが、このように精神面への配慮に対するひとつの選択肢として、今後検証が重ねられるかもしれません。

 

【訂正9/9】

題名と本文に経皮的冠動脈形成術を「心臓手術」と呼んだ箇所がありましたが、正確ではないという指摘があり、「心臓のカテーテル手術」と訂正しました。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Effects of massage on the anxiety of patients receiving percutaneous coronary intervention.

Psychiatr Danub. 2015 Mar

[PMID: 25751447]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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