◆46人の女性をランダムに振り分け
今回の研究では、線維筋痛症がある46人の女性を対象とし、全身振動刺激トレーニングとエアロビックトレーニング、筋力トレーニングを合わせて行った群、エアロビックトレーニングと筋力トレーニングを行った群、通常のケアを行った群の3群にランダムに振り分けました。
今回の研究で行われた全身振動刺激トレーニングでは、対象者は、振動するプラットホームの上に立ち、足下から振動を与えられた状態でスクワットを行いました。
◆全身振動刺激トレーニングを行った群でバランス能力が改善
次のように、全身振動刺激トレーニングを行った群では、通常のケアを行った群と比べて、バランス能力のより大きな改善がみられました。
統計的に有意な改善が通常のケア群と比べて全身振動刺激トレーニング群で、Medio-Lateral Stability Indexと開眼時の内外方向への動揺の平均値においてみられた
著者らは、「この結果は、線維筋痛症の女性患者において、転倒予防のための重要な要因を表す。」と述べています。
線維筋痛症の患者さんは、健康な人よりもバランス能力が低下しており、転倒のリスクが高いと言われています。今回、検証された方法が転倒予防に対し、有効な手段となるかもしれません。より確かな治療法に向けて今後の研究が期待されます。
執筆者
Changes in body balance and functional performance following whole-body vibration training in patients with fibromyalgia syndrome: a randomized controlled trial.
J Rehabil Med. 2013 Jul
[PMID: 23828124]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。