正常圧水頭症の治療法、「L-Pシャント」手術の効果とは
水頭症は、脳の内部の空間である脳室を満たしている脳脊髄液が過剰に溜まって、脳室が拡がった状態を言います。治療として、L-Pシャント術という手術の効果を調べた日本の研究で、障害の改善に有効という結果が得られました。
◆1カ月以内にシャント術を行う群と3カ月までシャント術を延期する群に分類
今回の研究では、従来の方法である「頭から直接脳脊髄液を抜く方法」(V-Pシャント術)ではなく、「頭とつながっている背中から脳脊髄液を抜く方法」(L-Pシャント術)の有効性が検証されました。
60歳以上の
◆1カ月以内に手術を行った方が3カ月後の障害がより改善
以下の結果が得られました。
治療を延期した群よりもすぐに治療した群で、より多くの患者が3カ月時点でのmRSが1点以上、改善が認められた。
すぐに治療した群は49人中32人(65%)、治療を延期した群は44人中2人(5%)であった(差61%、95%信頼区間42-68、p<0.0001)。
正常圧水頭症に対して、L-Pシャント術を行った方が、行わないよりも障害が改善したという結果でした。
筆者らは、「我々の結果は、L-Pシャント術が特発性正常圧水頭症の患者に対して有益であり、もしこの知見がより大きな研究で証明されれば、この病気に対する
正常圧水頭症は、歩行障害や認知症などさまざまな症状が見られる病気です。手術を行うことで機能障害がより改善するのであれば、脳を傷つけずに行える点も含めて、L-Pシャント術が今後標準的に実践されることもありえるかもしれません。
執筆者
Lumboperitoneal shunt surgery for idiopathic normal pressure hydrocephalus (SINPHONI-2): an open-label randomised trial.
Lancet Neurol. 2015 Jun
[PMID: 25934242]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。