◆脳出血に対する手術療法の有効性を検証
今回の調査は、テント上脳内血腫(小脳テントと呼ばれる、脳の一部を区切る骨よりも上部に、脳出血のため血の固まりができていること)の患者を対象に、通常の治療に加えて手術を行う場合と通常の治療のみの場合を比較し、手術療法により死亡や介護が必要になることを防ぐ有効性を検証している10個の研究をまとめました。
◆脳出血に対する手術療法により死亡または介護が必要な状態が減少
調査の結果、以下のことを報告しました。
手術は、最終追跡時期における死亡または介護が必要な状態のオッズの統計的に有意な減少に関連し(オッズ比(OR)0.71、95%信頼区間(CI)0.58-0.88、2P=0.001)、研究結果間の異質性は認められなかった。
脳出血に対する手術療法は、死亡または介護が必要な状態になる人を減少させるという結果でした。
『脳卒中治療ガイドライン2015』では、出血した場所や出血の広がり、重症度によって、手術に関する推奨度は異なります。今回の結果は、これだけで判断することはできませんが、ひとつの情報として参照されているものです。
執筆者
Surgery for primary supratentorial intracerebral haemorrhage.
Cochrane Database Syst Rev. 2008 Oct 8
[PMID: 18843607]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。