◆過去の研究を検証
研究班は、これまでに手術のあとの痛みに対して音楽の効果を調べた研究を集め、結果を統合しました。
◆痛み、不安が減少
次の結果が得られました。
4,261件の題名と要約を同定し、73件のRCTをこのシステマティックレビューで扱い、その規模は参加者20人から458人だった。
音楽は術後の痛み(標準化平均差-0.77、95%信頼区間-0.99から-0.56)、不安(-0.68、-0.95から-0.41)、鎮痛薬の使用(-0.37、-0.54から-0.20)を減らし、患者の満足度を増やした(1.09、0.51から1.68)が、入院期間には差がなかった(-0.11、-0.35から0.12)。
見つかった73件の研究を検証した結果、音楽を聞いたときには、痛みと不安の症状が軽く、鎮痛薬の使用が少なくなり、患者の満足度が高くなっていました。
鎮痛薬が要らなくなるほどではないにせよ、音楽にいくらかの効果があるかもしれません。どのようなしくみで痛みが抑えられたのかも知りたくなります。
執筆者
Music as an aid for postoperative recovery in adults: a systematic review and meta-analysis.
Lancet. 2015 Aug 12 [Epub ahead of print]
[PMID: 26277246 ]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。