2015.08.13 | ニュース

心筋梗塞と糖尿病の関係は?空腹時血糖値100mg/dlで変化あり

日本人23,313名を追跡調査

from Hypertension research : official journal of the Japanese Society of Hypertension

心筋梗塞と糖尿病の関係は?空腹時血糖値100mg/dlで変化ありの写真

心筋梗塞に関するガイドラインでは、糖尿病の人で心筋梗塞が起こりやすいとされています。その根拠のひとつとなった、心筋梗塞などの発症リスクと血糖値の関連を示した2009年の論文を紹介します。

◆血糖値、血圧などと虚血性心疾患、脳卒中などとの関連を検証

今回の研究では、40-69歳の成人23,313名を対象に追跡調査を行い、虚血性心疾患(心筋梗塞など)、脳卒中などを発症する原因を調査しました。その原因の候補として、メタボリックシンドローム、血圧、血糖値、肥満、HDLコレステロールを評価しました。

 

◆血糖値が高いと男性では1.8倍虚血性心疾患になりやすい

血糖値が高い場合(空腹時血糖値が100mg/dl以上または非空腹時血糖値が140mg/dl以上、または糖尿病治療中)、虚血性心疾患の発症リスクが男性では1.8倍で統計的に有意に高くなっていましたが、女性ではその違いは統計的に有意ではありませんでした。

男性では、血糖値が高いと虚血性心疾患の発症リスクが高くなるという結果でした。

 

この研究で「血糖値が高い」とされた基準値は、現在の糖尿病の診断基準に使われている値よりも低いレベルですが、この範囲でも気を付けたほうがよいのかもしれません。

心筋梗塞の危険因子については、次に脂質異常症についての論文を紹介する予定です。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

The impact of the metabolic syndrome and its components on the incidence of ischemic heart disease and stroke: the Japan public health center-based study.

Hypertens Res. 2009 Apr

[PMID: 19262490]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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