糖類を多く摂取する人は痛風のリスクが高い
痛風の発生に関連する食事として、肉類、魚介類、乳製品について紹介しました。今回は、高尿酸血症・痛風の治療ガイドラインで引用されている、甘いものの摂取と痛風の発生リスクの関連を示した論文を紹介します。
◆果糖の過剰摂取と痛風の発生リスクの関連を検証
今回の調査では、痛風と診断されたことのない46,393名の男性を対象に12年間にわたる追跡調査を行い、またソフトドリンクと果糖の摂取について聞き取り、痛風の発生との関連を検証しました。
◆果糖の過剰摂取は痛風の発生リスクを増大させる
以下のことが報告されました。
糖類で甘くしたソフトドリンクの摂取が一ヶ月に1回より少ないひとと比べて、週に5-6回の摂取のひとでは、多変量相対リスクが1.29(95%信頼区間1.00-1.68)、1日に1回の摂取のひとでは1.45(95%信頼区間1.02-2.08)、1日に2回以上のひとでは1.85(95%信頼区間1.08-3.16、ptrend=0.002)であった。
ダイエット飲料は、痛風のリスクと関連していなかった(ptrend=0.99)。
全果汁のフルーツジュースや果糖が多いフルーツ(りんごとオレンジ)のように、果糖摂取に大きく寄与するその他の因子も、痛風のリスク増加と関連していた(ptrend<0.05)。
糖類を加えられたソフトドリンクや果糖の摂取が増えるほど、痛風の発生リスクが増えるという結果でした。
また、フルーツジュースや果糖の多いりんご・オレンジの摂取も痛風の発生リスクと関連していました。
筆者らは、「前向きデータにより、糖類で甘くしたソフトドリンクや果糖の消費は男性における痛風のリスク増大と強く関連することが示唆された」と結論付けています。
痛風と食習慣の関連性について、ソフトドリンクや甘い果物の消費量が多い人も注意する必要があるのかもしれません。 この他にも、痛風の発生リスクを増大させるかもしれない食習慣について、今後紹介する予定です。
執筆者
Soft drinks, fructose consumption, and the risk of gout in men: prospective cohort study.
BMJ. 2008 Feb 9
[PMID: 18244959]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。