◆iPad使用群と対照群に分類
今回の研究は、以下の方法で実施されました。
脳卒中後または外傷性脳損傷後の失語症患者51名が、10週間の治療プログラムで、iPadをもとに作成されたソフトウェアプラットホーム、継続治療の対象となった。
対象者は、実験群(42名)と対照群(9名)に振り分けられた。
実験群、対照群のどちらの群も、1週間に1回、臨床家に1時間の臨床セッションを受け、実験群ではその他に自宅での治療を行った。
脳卒中後の失語症患者を、全員に通常の治療を行うことに加えて、iPadを使用し自宅でも言語トレーニングを行う群と対照群に振り分け、言語機能の改善に対する効果を検証しました。
◆iPadを用いて自宅でも言語トレーニングを行うと言語機能が改善
調査の結果、以下のことを報告しました。
最後に、実験群の対象者は、コントロール群より、標準化されたテストにおいて、治療による有意で良好な変化を示した。
iPadを使用して自宅でも言語トレーニングを行った群では、言語機能がより改善するという結果でした。
また、その他に、記憶や注意力に関する機能も改善しました。
筆者らは、「これらの結果は、失語症患者の個々にあった言語および認知に対する療法を提供するタブレットをもとにしたプラットフォームの有用性に関する、予備的な根拠を提供する」と述べています。
継続的なリハビリには、在宅でも行える環境を整えることで効果を挙げられるかもしれません。今回の研究では、自宅でも簡便に使用できるiPadアプリの効果を示したものでしたが、今後このような研究が増え、より検証されることを期待します。
執筆者
Effectiveness of an impairment-based individualized rehabilitation program using an iPad-based software platform.
Front Hum Neurosci. 2015 Jan 5
[PMID: 25601831]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。