アルコール依存症で不眠の症状があるとほかの問題も重い傾向

アルコール依存症は、アルコール性肝障害につながるほか、うつ症状や不眠などの症状を起こすこともあります。アメリカの研究班がアルコール依存症の患者の症状を調べたところ、不眠の症状がある人にはほかの心理社会的問題も多い傾向が見られました。
◆アルコール依存症患者123人が対象
研究班は、アルコール依存症の患者123人を対象として、アルコール依存症による
◆不眠と社会性・衝動的行動の関連
次の結果が得られました。
対象者の平均年齢は44歳(標準偏差10.3)、83%が男性であり、SIPのサブスケールスコアは基準データの中央値と近似した。1/4の対象者には不眠の症状はなく、29%には軽度の不眠があり、45%には中等度から重度の不眠があった。不眠群にアルコール消費量の違いは見られなかった。ISIの総合スコアはSIPの総合スコアと関連した(β=0.23、P=0.008)。中等度から重度の不眠がある対象者はSIPの総合スコア、社会性と衝動的行動のサブスケールが
有意 に高く、ASIのスコアのうちでは職業上の問題と配偶者との対立がほかの指標よりも高かった。
対象者のうちで、中等度から重度の不眠がある人は、SIPのスコアのうち社会性と衝動的行動の項目がより高い(症状が多い方向の)傾向がありました。
アルコール依存症は飲酒以外の生活習慣や環境と複雑に関係しています。不眠に注目して
執筆者
Insomnia in alcohol dependent subjects is associated with greater psychosocial problem severity.
Addict Behav. 2015 Jun 20 [Epub ahead of print]
[PMID: 26151580]
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