◆乳酸桿菌で発酵させたヒノキを顔の一側面に、ティーツリーオイルをもう一方の側面に滴下
今回の研究では、34名の患者を対象に、顔の左右どちらかの側面に、乳酸桿菌で発酵させたヒノキの5%抽出液を、もう一方の側面にティーツリーオイルの5%抽出液を塗り、8週間後の効果を比較しました。
◆乳酸桿菌で発酵させたヒノキの方が、炎症性のアクネ病変を約27%減少させた
調査の結果、以下のことが見られました。
8週間後、炎症性のアクネ病変は、乳酸桿菌で発酵させたヒノキを塗った側で65.3%、ティーツリーオイルを塗った側で38.2%減少していた。
乳酸桿菌で発酵させたヒノキを塗った場合、ティーツリーオイルを塗った場合と比較し、効果が出るまでの時間が速かった(p<0.05)。
さらに、乳酸桿菌で発酵させたヒノキを塗った側は、非炎症性病変の改善(52.6% 、p<0.05)、脂腺の大きさの減少、皮脂の出現の減少を示した。
乳酸桿菌で発酵させたヒノキを塗った側では、ティーツリーオイルを塗った側と比べてより早く、効果的に皮膚病変を改善させたという結果でした。
筆者らは、「この新規的な自然化合物は、にきびの治療に効果的で安全であるようだ」と述べています。
にきびに悩んでいる方は多いと思います。比較的に知名度が高いティーツリーオイルですが、もしそれ以上の効果があるとしたら、乳酸桿菌で発酵させたヒノキも活用される可能性があるかもしれません。今後の検証を期待したいですね。
執筆者
Comparison of clinical and histological effects between lactobacillus-fermented Chamaecyparis obtusa and tea tree oil for the treatment of acne: an eight-week double-blind randomized controlled split-face study.
Dermatology. 2014 Sep 6
[PMID: 25228478]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。