2015.07.13 | ニュース

低カロリーならどんな食事でも心臓に好影響?食物繊維、赤身肉、コーヒーに関わらず心拍数改善

ドイツにおける肥満糖尿病患者28人を対象にした試験から

from Diabetes care

低カロリーならどんな食事でも心臓に好影響?食物繊維、赤身肉、コーヒーに関わらず心拍数改善の写真

肥満や糖尿病では、心血管系やエネルギーバランスを調節する自律神経系の機能が悪くなります。著者らは、食物繊維、赤肉、コーヒー摂取量の異なる低カロリー食が心臓における自律神経機能へ与える影響を調べる為に、肥満の2型糖尿病患者を対象とした試験を行いました。その結果、低カロリーであることで心拍数の改善が見られましたが、食事の種類とは関係がありませんでした。

◆同じカロリーで食事内容を変えた生活を、8週間続けた

著者らは以下の試験を行いました。

この無作為並行集団パイロット試験では、2型糖尿病の肥満患者は無作為に、穀物繊維が多く赤肉無し、コーヒーが多い食事を食べるか(13人)、穀物繊維が少なく赤肉が多くコーヒー無しの食事(15人)に割り付けられ、8週間過ごした。

つまり同じ低カロリーですが、穀物繊維とコーヒーが多く赤肉が無い食事と、穀物繊維は少なくコーヒーが無しで赤肉が多い食事と言う異なる食事内容で8週間を過ごし、心拍数や炎症マーカーの量を調べました。

 

◆食事内容は無関係に減量、心拍数変動が改善

以下の結果が得られました。

8週間後、食事介入は平均5から6kgの減量、4から6bpmの心拍低下、迷走神経を介した心拍数変動の改善をもたらした。しかし8週間のベースラインからの心拍数変動パラメーターの変化について集団間での差は無かった。

つまり穀物繊維とコーヒーの多い食事と赤肉が多い食事の療法で、減量や心拍数変動の改善がありました

筆者らは、「2型糖尿病の肥満患者では、8週間に渡るエネルギー制限それ自体が、酸化的ブドウ糖利用改善に関した心臓の迷走神経機能改善に寄与した」と述べています。


食事内容に関し、コーヒーと穀物繊維の量を別々に検討するなど更なる研究が必要にも思いますが、まずは食事のカロリーを下げる事が重要なようです。

執筆者

高田

参考文献

Effect of Low-Energy Diets Differing in Fiber, Red Meat, and Coffee Intake on Cardiac Autonomic Function in Obese Individuals With Type 2 Diabetes.

Diabetes Care. 2015 Jun 12.

 

 

[PMID: 26070589] http://care.diabetesjournals.org/content/early/2015/06/11/dc15-0466.abstract

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る