◆10歳以上の子どもを体重別に
研究班は、10歳以上で背骨の非対称を訴えて受診した子どもを対象として、BMI(体重÷身長の2乗)が下位5%から上位15%の間の「正常体重」、上位15%から5%の間の「過体重」、上位5%の「肥満」の3グループに分け、背骨の曲がりの程度に違いがあるかどうかを調べました。
◆重い子どもほど曲がりが大きい
次の結果が得られました。
この研究に、正常体重の患者50人、過体重の患者50人、肥満の患者50人の計150人が参加した。受診時の平均のカーブは、正常体重の患者で18.1度、過体重の患者で23.9度(P=0.02)、肥満の患者で24.5度(P=0.02)だった。
正常体重のグループに比べて、過体重のグループまたは肥満のグループでは曲がりの程度がより強くなっていました。
この研究の方法では、見つかった相関関係に必ずしも因果関係があるとは断定できませんが、成長の過程で体重のかかり具合が側弯症に影響するという可能性は考えられそうです。曲がりが見られた子どもが減量すると側弯症防止になるのかどうかが気になります。
なお、側弯症の治療の試みとして、ほかの研究も紹介しています。興味のある方はあわせてご覧ください。
「側弯症の新たな治療法?運動療法の効果を検証」
http://medley.life/news/item/5565d4d30bfa220101a8675f
執筆者
Presentation of Adolescent Idiopathic Scoliosis: The Bigger the Kid, the Bigger the Curve.
J Pediatr Orthop. 2015 Jun 16. [Epub ahead of print]
[PMID: 26114242]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。