2015.07.03 | ニュース

試験中の新薬に早くも耐性ウイルスが!レテルモビル耐性サイトメガロウイルス、幹細胞移植レシピエントから

ドイツで低用量使用群に発生
from The Journal of infectious diseases
試験中の新薬に早くも耐性ウイルスが!レテルモビル耐性サイトメガロウイルス、幹細胞移植レシピエントからの写真
(C) tashatuvango

血液の異常などを起こすサイトメガロウイルスは、白血病などの治療として行われる幹細胞移植を受けた人にとって危険な感染症の原因になります。治療法は限られ、新薬として試験中のレテルモビルは感染を予防する効果を期待されています。ところが試験中、レテルモビルを使ったあとでサイトメガロウイルスに感染した人から、薬剤耐性の遺伝変異を持ったウイルスが見つかりました。

◆予防に失敗した人の調査から

研究班は、レテルモビルによる予防に失敗してサイトメガロウイルスに感染した人からウイルスを取り出して遺伝子解析を行い、実験室ですでに発見されていたレテルモビル耐性の変異があるかどうかを調べました。

 

◆用量が少ない人に発生

対象者のうち1人に、次のとおりレテルモビル耐性の変異が見つかりました。

60mg群のうち1人の対象者に、野生型ウイルス血症のエピソードに続いて既知のレテルモビル耐性変異であるV236Mが同定された。

試験ではレテルモビルの用量を1日あたり60mg、120mg、240mgと対象者ごとに変えていましたが、60mgを使っていた人で、薬剤耐性変異が見つかりました。

研究班は「このことは試験の有効性分析でレテルモビル240mg/日がウイルス血症の完全抑制を達成すると見られたことに対して、60mg/日と120/日は予防のために次善の用量であると示唆されたことと整合的である」と述べています。

 

細菌やウイルスの薬剤耐性は、薬の用量や使用期間が不適切な場合には非常に早く生まれると考えられています。レテルモビルはまだ一般には使われていない新薬ですが(2015年6月)、今後広く使われることがあるとすれば、最も早い時期から耐性には十分な注意が必要と言えそうです。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Characterization of cytomegalovirus breakthrough events in a letermovir (AIC246, MK 8228) phase 2 prophylaxis trial.

J Infect Dis. 2015 Jun 25 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26113373]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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