◆予防に失敗した人の調査から
研究班は、レテルモビルによる予防に失敗してサイトメガロウイルスに感染した人からウイルスを取り出して遺伝子解析を行い、実験室ですでに発見されていたレテルモビル耐性の変異があるかどうかを調べました。
◆用量が少ない人に発生
対象者のうち1人に、次のとおりレテルモビル耐性の変異が見つかりました。
60mg群のうち1人の対象者に、野生型ウイルス血症のエピソードに続いて既知のレテルモビル耐性変異であるV236Mが同定された。
試験ではレテルモビルの用量を1日あたり60mg、120mg、240mgと対象者ごとに変えていましたが、60mgを使っていた人で、薬剤耐性変異が見つかりました。
研究班は「このことは試験の有効性分析でレテルモビル240mg/日がウイルス血症の完全抑制を達成すると見られたことに対して、60mg/日と120/日は予防のために次善の用量であると示唆されたことと整合的である」と述べています。
細菌やウイルスの薬剤耐性は、薬の用量や使用期間が不適切な場合には非常に早く生まれると考えられています。レテルモビルはまだ一般には使われていない新薬ですが(2015年6月)、今後広く使われることがあるとすれば、最も早い時期から耐性には十分な注意が必要と言えそうです。
執筆者
Characterization of cytomegalovirus breakthrough events in a letermovir (AIC246, MK 8228) phase 2 prophylaxis trial.
J Infect Dis. 2015 Jun 25 [Epub ahead of print]
[PMID: 26113373]
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