◆12から18歳の子供達を対象に調査
以下の方法で調査をしました。
最低1人の大人の介護人がいる12から18歳の若年層を無作為に、対面あるいはSkypeで、糖尿病に関する家庭療法システム(BFST-D)を受講させた。参加者は10の療法までのセッションを12週以内に終了した。子供と両親が提出するレポートの変化で、生活指導の順守と血糖値制御を、治療前後と追跡調査で比較した。
つまり指導内容を通院して対面で教えた場合と、Skypeを通じて教えた場合で比較しています。
◆どちらの方法でも同程度に治療行為は順守された。
次の結果が得られました。
治療意図分析的アプローチを行ったところ、治療前後と追跡調査でグループ間に差はなかった。指導順守と血糖値制御に関するBFST-D全体の効果を調べる為に、グループを各時期に分けて解析した。結果として、指導順守や血糖値制御に関し統計的に意味ある改善は、治療前後の時期でおきていた。また3ヶ月間、改善は維持されていた。
つまりお医者さんと対面指導を受けても、Skypeで映像でやり取りしても、治療期間後3ヶ月間は効果が持続しました。
著者らは、「インターネットを介したビデオ会議システムによるBFST-Dの配信は、1型糖尿病の青年の非遵守と次善の血糖コントロールに対処するために有効な手段であり、若年層や家族をケアする際に横たわる重大な障壁を、もしかしたら減らせるかもしれない」と述べています。
子供だからこのような機器に使い慣れていそうにも思います。Skypeでも通院と同様に人間がリアルタイムで対応しているので、ある意味この結果は妥当とも思われます。近くに病院がない家族の場合、このような対処が非常に効果的でしょう。将来起きるかもしれない人工知能搭載のロボット等による指導の場合はどうなるのか、動画でも生身の人間が対応した方が言う事を聞きやすいのかなど、興味が広がります。
執筆者
Seeing Is Believing: Using Skype to Improve Diabetes Outcomes in Youth.
Diabetes Care. 2015 Jun 1.
[PMID: 26033508] http://care.diabetesjournals.org/content/early/2015/05/27/dc14-2469.abstract
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