2015.06.14 | ニュース

手術できない、抗がん剤も効かない大腸がんに新薬TAS-102が有効

全生存期間を5.3か月から7.1か月に
from The New England journal of medicine
手術できない、抗がん剤も効かない大腸がんに新薬TAS-102が有効の写真
(C) niyazz - Fotolia.com

大腸がんが進行すると、手術が難しくなり、さらに標準的な抗がん剤による化学療法なども効きにくい場合があります。このような場合に使える治療法は限られていますが、新しくトリフルリジンとチピラシル塩酸塩という2成分を合わせた抗がん剤(別名TAS-102)が開発され、実際の患者に使った結果、生存期間を延ばす効果があったことが報告されました。

◆手術できない進行がん患者をランダム化

研究班は、ほかの治療で十分な効果が得られなかった、手術で取り除くことのできない、進行した大腸がんの患者800人を対象として、対象者をTAS-102の治療を受けるグループと、偽薬を使うグループにランダムに振り分けました。

 

◆全生存期間を延長

次の結果が得られました。

全生存期間の中央値は偽薬群で5.3か月だったが、TAS-102群で7.1か月に改善し、TAS-102群の偽薬群に対する死亡のハザード比は0.68(95%信頼区間0.58-0.81、P<0.001)だった。最も頻繁に観察された臨床的に有意なTAS-102と関連する有害事象は好中球減少だった。好中球減少はTAS-102で治療されたうちの38%に、また白血球減少は21%に、発熱をともなう好中球減少は4%に見られた。TAS-102に関連して1人の死亡が報告された。

すべての死因を合わせた全体としての生存期間は偽薬のグループで中央値5.3か月に対して、TAS-102のグループでは中央値7.1か月と長くなっていました。検査値で白血球が少なくなるなどの副作用が見られ、TAS-102の副作用によって死亡したと考えられた人が1人いました。

 

TAS-102は日本では世界に先駆けてすでに使われており、この結果を受けて、保険医療として使える範囲が広がりました。治療が難しい進行がんに対する選択肢が加わり、これまでなら打つ手のなかった状態から希望を見い出せる人が現れるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Randomized trial of TAS-102 for refractory metastatic colorectal cancer.

N Engl J Med. 2015 May 14

 

[PMID: 25970050]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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