2015.06.12 | ニュース

変形性膝関節症では肥満解消が大事!

デンマークでの調査から
from Arthritis care & research
変形性膝関節症では肥満解消が大事!の写真
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変形性膝関節症は関節の軟骨がすり減ったり骨の変形が生じる病気で、加齢、骨折等の外傷や代謝の異常、骨の異常などによって引き起こされます。肥満の状態では膝に負担がかかるので症状の悪化が予想されますが、著者らは実際に体重の影響が症状悪化の一要因であるかどうかを調べ、どのような方法でも減量すれば症状軽減に働いたという結果を示しました。

◆192人の変形性膝関節症を3グループに分けて検討

著者らは以下の条件で検討を行いました。

ランダム化2段階並行グループ試験にて、変形性膝関節症を伴う192人の肥満患者に関し施行した。平均年齢は62.5歳で81%は女性であり、平均体重103.2kgである。第1段階では全ての被験者が無作為に3グループの内の1つに入り、減量の為に、400-810と1250 kcal/日の食事を16週間行う(8週間プログラムを2回)。第2段階ではグループD(食事療法グループ)、E(膝運動療法グループ)、C(何もしないグループ)で52週間の維持を行った。効果はランダム化の後の100mmの目視スケールの範囲での痛みの変化、体重、Outcome Measures in Rheumatology Osteoarthritis Research Society International (OMERACT-OARSI)に準拠した応答の変化で判断した。

変形性膝関節症があり、平均体重103.2kgの肥満患者192人を対象としました。最初は皆同じ食事療法で減量し、その後1年間食事療法のグループ、運動療法のグループ、何もしないグループに分けて減量維持を行い、効果のほどを関節症に見られる痛みなどで判断しています。

 

◆食事療法でも運動でも、減量をすれば症状が緩和した

著者らは以下の結果を得ました。

第1段階での体重減少は平均で12.8kgであった。1年間維持治療を行い、Dグループ(11kg、95%信頼区間 9.0から12.8kg)はEグループ(6.2kg、95%信頼区間 4.4から8.1kg)及びCグループ(8.2kg、95%信頼区間 6.4から10.1kg)よりも更に体重減少した(ANCOVAでP=0.002)。アドヒアランスはEグループでは少なかった。全てのグループにおいて、統計的に有意に痛みが減少し(D: 6.1、E: 5.6、C: 5.5 mm)、この減少はグループ間で差がなかった(ANCOVAでP=0.98)。

ここでいうアドヒランスは、患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定 に従って治療を受けるという意味です。つまり運動療法グループの方々はあまり医師の言う事を聞かなかったようです。ですが、痛みの減少レベルはどのグループでも同じようでした。

著者らは結論として、「減量を1年間持続する事で維持プログラムに関係なく、変形性膝関節症の症状を改善した」と述べています。

 

やはり物理的な負荷は非常に大事な要素で、苦痛を和らげる為にもとにかく減量が鍵になるようです。

なお研究の方法について、3グループに分けて効果を検討したのは定石だったと思います。ここで、普通なら1年間何もしないよりも食事療法か膝運動療法のどちらかが、良い効果を生むと予測するでしょう。ですが結果は意外にも、グループ間に差はありませんでした。短期間で減量すればそのあと1年間有効だったということになります。本当に1年間食事療法や運動療法をしても違いがないのか、別の調べ方で検証した結果も見てみたくなります。

執筆者

高田

参考文献

Effect of weight maintenance on symptoms of knee osteoarthritis in obese patients: a twelve-month randomized controlled trial.

Arthritis Care Res (Hoboken). 2015 May

 

[PMID: 25370359] http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/acr.22504/abstract

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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