2015.06.07 | ニュース

イマチニブは10年後も白血病に効いていたことが判明

ドイツ、慢性骨髄性白血病についての長期研究から
from Leukemia
イマチニブは10年後も白血病に効いていたことが判明の写真
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白血病に使われるイマチニブという抗がん剤は、「分子標的治療薬」という新しい種類の薬剤としては比較的早い2001年から広く使われ、慢性骨髄性白血病などの治療に対する効果が知られています。ドイツで行われていた長期間の研究から、もともと慢性骨髄性白血病があった対象者がイマチニブを使い始めて10年後の生存率は84%であり、使い続けることによる新しい副作用は発見されなかったなどの結果が報告されました。

◆ドイツ1,500人の長期研究

この研究は、ドイツで2002年から始められ、イマチニブとほかの治療法の組み合わせの比較などを目的として、1,503人の慢性骨髄性白血病患者にイマチニブの治療を行っていました。

研究班は対象者のデータから、イマチニブを長期間使い続けたときの効果と安全性についての情報を集計しました。

 

◆10年で全生存率84%

イマチニブの治療を受けた対象者から次の結果が得られました。

観察期間の中央値7.1年経過後、965人(64%)の患者がイマチニブを使い続けていた。治療開始後10年で無増悪生存率は82%、全生存率は84%[...]だった。

治療期間8年あたりの有害反応の確率は76%で、グレード3から4の有害反応の確率は22%、血液学的反応以外の確率が73%、血液学的反応の確率が28%だった。

新しく発見された遅発毒性はなかった。有害反応は頻繁にあったがほとんどは軽度で管理可能[...]だった。

イマチニブの治療を受けた人のうち、治療開始後7.1年まで使い続けていた人は64%でした。イマチニブの治療を受けた人のうち、治療開始後10年での生存率は84%、慢性骨髄性白血病が一度も悪化することなく生存していた割合は82%でした。副作用と考えられる反応は、イマチニブの治療8年間に換算して73%の確率で起こっていました。長期間追跡したことによっても、これまで知られていなかった副作用は発見されませんでした

研究班はこの結果から「イマチニブは慢性骨髄性白血病の患者のほとんどに対して、治療開始10年後にも非常に優れた第一選択であり続けた」と結論しています。

 

イマチニブの登場以前、慢性骨髄性白血病の診断後に生存が期待できる期間は3年から5年などと言われていました。この研究でも示されたように、多くの患者に対して生存率を改善してきたイマチニブですが、登場してすぐにはわからない長期間の効果に、また少しの情報が加わりました。よく知られた薬でも、長く使っているうちに副作用が後から見つかることがないとは限りません。こうして新しい薬のさまざまな側面が確かめられていきます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Safety and efficacy of imatinib in CML over a period of 10 years: data from the randomized CML-study IV.

Leukemia. 2015 May

[PMID: 25676422]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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