2015.06.04 | ニュース

米国初、MERS患者の症例報告

2014年5月、サウジアラビアから渡航した医師が発症
from Clinical infectious diseases : an official publication of the Infectious Diseases Society of America
米国初、MERS患者の症例報告の写真
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中東呼吸器症候群(MERS)は、お隣の韓国でも死者を出すなど、世界で深刻な問題になろうとしています。国際化の時代にあって、感染症はともすれば思いもよらない速さで広がることがあります。MERSは2012年9月にサウジアラビアで発見されたのち、早くも2014年5月にはアメリカ合衆国で初めての患者が現れました。そのときの症例報告を紹介します。

◆65歳男性、サウジアラビアの病院勤務

発見された患者の、発病から退院までの経過は次のようなものでした。

患者は65歳の医師で、サウジアラビアでMERSコロナウイルスの感染者を治療している病院に勤務していた。彼の体調不良は倦怠感、筋肉痛、微熱から始まった。

彼の最初の呼吸器症状、乾性咳嗽は、第10病日に起こった。第11病日にインディアナ病院を受診し、呼吸困難、低酸素症、胸部レントゲンで右下肺葉浸潤影を呈していた。

彼は第22病日に退院した。ゲノムシークエンスは既知のMERESコロナウイルスと99%以上一致し、サウジアラビアで2013年の6月から7月にかけて発生したものとクラスターをなした。

患者は65歳男性で、サウジアラビアでMERS患者を治療している病院に勤めていました。アメリカに渡航する6日前から体のだるさ、筋肉痛、微熱の症状がありました。渡航後に咳、呼吸困難などの症状で病院を受診し、ウイルスの検査でMERSコロナウイルスの感染と診断され、受診から11日後に退院しました。感染していたウイルスは、サウジアラビアで2013年6月から7月に現れたウイルスとよく似たものでした。

 

◆気を付けるべき人、気を付けるべき症状

MERSはアラビア半島を中心に発生しています。この患者はサウジアラビアで感染し、感染した状態でアメリカに渡航していた可能性が大きいと思われます。

MERSの症状は、この報告にもあるように、発熱や咳など、かぜのようなものがあります。軽症例もある一方で、重症化して死に至ることもあります。

今後流行が広がる可能性もあり、新情報が重要になりそうです。

 

MERSの一般的な情報については、こちらの記事もあわせてご覧ください。

「重症感染症 "MERS" が日本上陸する前に知っておくべきこと」

http://medley.life/news/item/556e6df042e56fa5045256c6

病気の詳しい情報はこちらにあります。

中東呼吸器症候群MERS

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Clinical and laboratory findings of the first imported case of Middle East respiratory syndrome coronavirus to the United States.

Clin Infect Dis. 2014 Dec 1

 

[PMID: 25100864]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。