◆ランダム化試験で遠隔治療とプライマリケアを比較
研究班は、対象としたADHDのある子どもを、遠隔の治療を受けるグループと、従来の治療を受けるグループにランダムに振り分けました。
この研究で試された遠隔の治療と、対照とされた治療は以下のものです。
試される遠隔健康サービスモデルに割り付けられた子どもは、小児精神科医がビデオカンファレンスを通じて指示する薬物治療を受け、その保護者は遠隔で管理された地域のセラピストによって対面で行動訓練を受けるという複合治療を、22週間のうちに6セッション受けた。
対照のサービス提供モデルに割り付けられた子どもは、プライマリケア提供者が遠隔で精神科医にコンサルトすることで強化されたケアを受けた。
◆遠隔治療に効果あり
2つのグループで比較すると、遠隔の治療を受けたグループのほうが、対照のグループよりもADHDの症状に改善がありました。研究班はこの結果が「専門的な精神医療に対するアクセスが限られている地域でのADHDの治療において、遠隔健康サービスの有効性を明らかにした」と述べています。
ビデオカンファレンスでも精神科医が関わることで治療の助けになるとしたら、現在の日本の医療のシステムや規制にも変化が起こるかもしれませんね。
MEDLEYニュースでは以前に、うつ症状に対してオンラインの治療を試した研究を紹介しました。こちらもあわせてご覧ください。
http://medley.life/news/item/552a6dbed05b85580132e144
執筆者
Effectiveness of a telehealth service delivery model for treating attention-deficit/hyperactivity disorder: a community-based randomized controlled trial.
J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. 2015 Apr
[PMID: 25791143]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。