2015.05.17 | ニュース

やはり、高齢者でも禁煙することで心血管疾患の死亡リスクが減少

約50万人の高齢者を分析
from BMJ (Clinical research ed.)
やはり、高齢者でも禁煙することで心血管疾患の死亡リスクが減少の写真
(C) Ljupco Smokovski - Fotolia.com

一般的に喫煙が虚血性心疾患や脳卒中といった心血管疾患に悪影響を及ぼすことは知られていますが、高齢者を対象にした知見は確かではありませんでした。今回、ドイツの研究チームが、高齢者でも喫煙経験がある場合に心血管疾患の発症リスクおよび死亡リスクが増加し、禁煙することでリスクが減少していたことを報告しました。

◆25の集団をまとめて分析

研究チームは、ほかの研究で追跡調査中の25の集団から得られたデータを統合して解析し、60歳以上の高齢者を対象に、喫煙が心血管疾患による死亡率や急性冠動脈疾患(虚血性心疾患)の発症脳卒中の発症にどう影響しているか分析しました。

また、喫煙が心血管疾患による死亡リスクの増加と関連する期間についても調べました。

 

◆喫煙歴があると、心血管疾患の死亡リスク増加

結果は以下の通りになりました。

60歳以上の503,905人の参加者がこの研究の対象に含まれ、そのうち37,952人が心血管疾患で死亡した。

心血管疾患による死亡率と喫煙習慣の関連についてのランダム効果モデルによるメタアナリシスから、喫煙したことがない人に比べて、現在喫煙している人は要約ハザード比2.07(95% 信頼区間 1.82から2.36)、喫煙経験者は要約ハザード比1.37(1.25から1.49)だった。

付随して計算されたリスク増加期間の要約推定量は喫煙者で5.50年(4.25から6.75)、喫煙経験者で2.16年 (1.38から2.39) だった。

喫煙者のリスクの増分はタバコの消費量に伴い、用量反応的に増加し、喫煙経験者において喫煙をやめてから時間経過とともに減少した。

急性冠動脈イベントと脳卒中イベントの相対リスクは、心血管疾患による死亡の相対リスクより幾分か低かったが、パターンは類似していた。

60歳以上の人の間でも喫煙者と喫煙経験者が喫煙したことのない人よりも心血管疾患による死亡のリスクが高い結果となりました。また喫煙をやめてから時間が経つとともにリスクは低下していました。

 

高齢者だから禁煙しても遅いということはなさそうですね。高齢者のヘルスケアについては、これからまだまだ新しい情報が加わっていくのかもしれません。

禁煙が勧められるとすれば、どうすれば禁煙できるかも気になります。以前、ご紹介した記事で商品券を配ると禁煙成功数が増えたという報告があります。

>> http://medley.life/news/item/55363e11c05ced0701ca90b4

 

 

執筆者

佐々木 康治

参考文献

Impact of smoking and smoking cessation on cardiovascular events and mortality among older adults

BMJ. 2015 Apr 20

[PMID: 25896935]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。