「就寝前」は寝る前とは限らない

薬の服用方法における「就寝前」とは通常は寝る30分くらい前に服用をすることです。この服用方法で指示される代表的な薬は睡眠薬であり、寝る30分くらい前に飲むと、寝床に入る頃に薬の効果が出てきて眠りを誘う効果が期待できます。睡眠薬以外にも飲んだ後に眠気が出やすい薬や夕食を食べてからしばらく時間を空けた方が効率が良い薬なども「就寝前」の指示で出される場合があります。
◆ 寝るどのくらい前に薬を飲めばいいのか?
薬の服用方法における「就寝前」とは一般的に 寝る30分くらい前に服用 を意味します。
睡眠薬が代表例で、布団に入る30分くらい前に服用することで、寝つきをよくしたり、熟睡しやすくする効果が期待できます。睡眠が目的ではなく、副作用として飲んだ後に眠気が出やすい為、寝る前の指示で出される薬もあります。神経の痛みを和らげる薬や抗アレルギー薬などの中には薬を飲んだ後に眠気が現れる薬もあるので、「夕食後」ではなくあえて「就寝前」で用いる場合もあります。
注意したいのは、「夕食後」からあまり時間が経っていないと効果に変化が出る睡眠薬や、「就寝前」の指示でもあまり遅い時間になると一番期待したい時間帯に充分な効果まで達しない薬があることです。
睡眠薬の中では、クアゼパムという薬を夕食後からあまり時間が経っていない状態で飲んでしまうと効果が強く出過ぎてしまう可能性もあり注意が必要です。
また、喘息治療薬の中には、夜20時くらいに服用するとちょうど喘息発作が起こりやすい夜半~早朝にかけて一番効果が出るように造られている薬もあり、仮に「寝る前」で指示されている場合でも服用時間に注意が必要な場合もあります。
この様に同じ「就寝前」で指示される薬であっても、薬の性質や治療内容などによって服用に適切な時間が異なる場合もありますので、事前に医師や薬剤師に確認しておくとよいでしょう。
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※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。