発症前の乳がんを89%の確率で予測、その新たな方法とは?

乳がんの生存率は年々上がってきていますが、いまだ女性の主な死亡原因のひとつとなっています。なるべく早い段階で乳がんのリスクを知り、早期治療が推奨される傾向にありますが、いまだ有効といえる検査は限られています。今回コペンハーゲン大学の研究班は、簡単な血液サンプルなどを分析し、数年以内に乳がんが発症するかどうか予測する方法を発見したと報告しました。しかし、実用化に向けては大きな課題もあるようです。
◆デンマーク癌協会の追跡調査をもとに分析
この研究はデンマーク
追跡調査を行った2000年末までに対象者のうち女性の半分が乳がんを診断されました。
研究班は、NMRで得られた各種の数値と、生活習慣、
◆2〜5年以内の乳がん発症の予測モデルを開発
研究班は、1996年までに登録された参加者の情報から、乳がんの発症と最も関連が強いと思われる予測モデルを作りました。このモデルは、NMRの結果や各種の情報を当てはめると、将来、乳がんを発症するかどうかを計算で予測することができます。
作成されたモデルに、1997年に登録された参加者の情報を当てはめたところ、2000年末までに乳がんを発症するかどうかの予測は、89%の割合で的中しました。
ただし著者は、「異なる食生活、ライフスタイル、服薬や習慣を持つ女性の集団への適用可能性は不明であり、臨床にこのモデルを当てはめて考える前に検証を行う必要がある」と強調しています。
今回の研究は、単一集団で行われた調査であるため、実用化に向けてはより広範囲で検証を行う必要があるとのことです。
まだ研究の初期段階にある技術ですが、この方法は乳がんの予防や早期治療へとつながっていくのでしょうか?また、こうした
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http://medley.life/news/item/5543561b05c72afe00009147
執筆者
Forecasting individual breast cancer risk using plasma metabolomics and biocontours.
Metabolomics. 2015 March 3
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