◆腎結石症疑い患者2,759人を分析
18~76歳の腎結石症が疑われる患者2,759人を対象に、はじめに行う検査として救急医が簡易的な超音波検査を行う群(908人)、放射線科医が超音波検査を行う群(893人)とCTを行う群(958人)にランダムに振り分けました。
診断漏れや診断が遅れが生じていないかどうかを確認するために30日以内生じた合併症の発生率と安全性を確認するために6か月間の放射線被曝量を3群間で比較しました。
◆超音波検査とCT検査の合併症発症率に差はなし
30日以内に深刻な合併症が診断された割合は全群で0.4%と低く、超音波検査およびCTを行った群の間で有意な差は見受けられませんでした。
6か月間の放射線被曝量の平均は、超音波検査を行った2つの群のほうがCTを行った群と比較して有意に少なかったことが分かりました。
その他、重篤な有害事象や診断精度は各群に統計的な差が認められませんでした。
研究チームは「腎結石を見つける際に、超音波検査はCTに比べ、深刻な合併症の診断や有害事象、痛みなどの結果に有意な差がなく、放射線被曝量が少なく抑えられる可能性がある。」と述べています。
通常、放射線を使わない超音波検査が最初の診断に使われていることが多いようです。そのうえで、超音波検査とCT検査で検査の精度に差がないという報告について、現場の医師の方はどのように思われるのでしょうか?
執筆者
Ultrasonography versus Computed Tomography for Suspected Nephrolithiasis.
N Engl J Med. 2014 Sep 18
[PMID: 25229916]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。