◆エナラプリルと葉酸で4.5年間治療
この研究では2008年から2013年にわたって、江蘇省と安徽省の32の地域で、合計20,702人の成人の高血圧患者を対象に行われました。
患者群を2つのグループに分け、一方にはエナラプリルと葉酸の入った錠剤を、もう一方にはエナラプリルだけの錠剤を使って治療しました。治療は平均4.5年間にわたって続けられました。
◆脳卒中の発症数が減少
エナラプリルと葉酸で治療したグループとエナラプリルだけのグループを比較すると、脳卒中、脳梗塞、及び「心血管イベント」(心血管疾患による死亡・心筋梗塞や脳卒中の発症を統合)において、エナラプリルと葉酸で治療したグループの方が有意に発症した割合が低いという結果になりました。ただし、一方で、脳出血、心筋梗塞、及び死亡数全体では統計的に有意な差はありませんでした。
治療の副作用には有意な差がありませんでした。
今回検出された相関関係に対し、どのような因果関係があるのかはまだ明らかではありません。もし葉酸に高血圧患者の脳卒中を予防する何らかの効果があるなら、影響は大きいかもしれません。
実際に高血圧を治療されている医師の方はどう思われますか?
執筆者
Efficacy of folic acid therapy in primary prevention of stroke among adults with hypertension in China: the CSPPT randomized clinical trial.
JAMA. 2015 Apr 7
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。