2015.04.20 | ニュース

1mm未満のがんがスプレーで見えた!

がんが持っている酵素と反応する蛍光標識
from Nature communications
1mm未満のがんがスプレーで見えた!の写真
(C) KaYann - Fotolia.com

東京大学などの研究班は、卵巣がんの手術中にがん細胞だけを光らせ、正常な組織と見分けやすくる蛍光物質を開発しました。

◆1mm以下のがんを見分けたい

がんの治療は多くの場合、手術でがんを取り除くことになります。しかし、取り残してしまうとまた大きくなり、治療が難しくなってしまうこともあります。

卵巣がんは診断された時点で60%以上の患者が腹膜転移を持っているとされ、1mm以下の小さいがんまで取り切れば予後がよくなると言われていますが、小さながんを周りの正常な臓器と見分けるのは非常に難しく、治療の限界となってきました。

がんの手術を助ける技術として、がんに蛍光物質の標識をつけて目立たせる試みがこれまでなされてきましたが、使えるがんの種類は限られ、卵巣がんに使える標識はありませんでした。

この研究では新しく、卵巣がんの腹膜転移に最適化した目立たせる方法を報告しています。

 

◆がんと反応して光る物質

この蛍光物質は、がんがありそうな場所にスプレーすると、卵巣がんが多量に含んでいる酵素と反応し、反応前の1400倍以上強く光るようになります。マウスに移植した卵巣がんに使ったところ、1mm以下のがんも肉眼で見分けられるようになりました。

 

卵巣がんの手術を変えるかもしれないこの技術。産婦人科の先生方は、使ってみたいと思うでしょうか?

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Sensitive β-galactosidase-targeting fluorescence probe for visualizing small peritoneal metastatic tumours in vivo.

Nat. Commun. 2015 Mar 13

[PMID: 25765713]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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