エンレスト錠100mgの副作用
※ 副作用とは、医薬品を指示どおりに使用したにもかかわらず、患者に生じた好ましくない症状のことを指します。
人により副作用の発生傾向は異なります。記載されている副作用が必ず発生するものではありません。
また、全ての副作用が明らかになっているわけではありません。
主な副作用
咳嗽、貧血、好酸球増多、低カリウム血症、食欲減退、低ナトリウム血症、浮動性めまい、体位性めまい、回転性めまい、頭痛、不眠
起こる可能性のある重大な副作用
低血圧、血管浮腫、舌腫脹、声門腫脹、喉頭腫脹、気道閉塞、腎機能障害、腎不全、高カリウム血症、失神、冷感、嘔吐、無顆粒球症、血小板減少、低血糖、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害、横紋筋融解症、筋肉痛、CK上昇、血中ミオグロビン上昇、尿中ミオグロビン上昇、中毒性表皮壊死融解症、Toxic Epidermal Necrolysis、TEN、皮膚粘膜眼症候群、Stevens-Johnson症候群、多形紅斑、天疱瘡、類天疱瘡、水疱、びらん、肝炎、ショック、意識消失、白血球減少、間質性肺炎、呼吸困難、胸部X線異常
上記以外の副作用
味覚異常、眠気、しびれ、動悸、心房細動、起立性低血圧、下痢、悪心、腹痛、便秘、蕁麻疹、過敏症、関節痛、腰背部痛、疲労、無力症、けん怠感、口渇、胸痛、発疹、そう痒症、アナフィラキシー反応、AST上昇、ALT上昇、血中尿酸値上昇、BUN上昇、血清クレアチニン上昇、血清カリウム値上昇、血糖値上昇、浮腫、発熱、紅斑、咽頭炎、耳鳴、頻脈、ほてり、光線過敏症、ビリルビン値上昇、LDH上昇、血清コレステロール上昇、血清総蛋白減少、ALP上昇
エンレスト錠100mgの用法・用量
- 〈慢性心不全〉通常、成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回50mgを開始用量として1日2回経口投与する
- 忍容性が認められる場合は、2~4週間の間隔で段階的に1回200mgまで増量する
- 1回投与量は50mg、100mg又は200mgとし、いずれの投与量においても1日2回経口投与する
- 通常、1歳以上の小児には、サクビトリルバルサルタンとして次のとおり体重に応じた開始用量を1日2回経口投与する
- 忍容性が認められる場合は、2~4週間の間隔で段階的に目標用量まで増量する
- [小児における用量(1回投与量)]1). 体重40kg未満:開始用量0.8mg/kg、第1漸増用量1.6mg/kg、第2漸増用量2.3mg/kg、目標用量3.1mg/kg
- 2). 体重40kg以上50kg未満:開始用量0.8mg/kg、第1漸増用量50mg、第2漸増用量100mg、目標用量150mg
- 3). 体重50kg以上:開始用量50mg、第1漸増用量100mg、第2漸増用量150mg、目標用量200mg
- 〈高血圧症〉通常、成人にはサクビトリルバルサルタンとして1回200mgを1日1回経口投与する
- なお、年齢、症状により適宜増減するが、最大投与量は1回400mgを1日1回とする
- (用法及び用量に関連する注意)7.1. 〈慢性心不全〉次の患者では、患者の状態を注意深く観察し、増量の可否を慎重に判断すること[1)腎機能障害(eGFR 90mL/min/1.73㎡未満)のある患者〔7.2、7.3、9.2.1、9.2.2参照〕、2)中等度肝機能障害<Child-Pugh分類B>のある患者〔7.2、7.3、9.3.2参照〕、3)慢性心不全で血圧が低い患者〔7.2、7.3、8.2、9.1.4、11.1.3、17.1.1-17.1.3参照〕]
- 7.2. 〈慢性心不全〉本剤の増量は、臨床試験で用いられた血圧、血清カリウム値及び腎機能に関する[成人の臨床試験で用いられた増量時の基準][小児の臨床試験で用いられた増量時の基準]も目安に検討すること〔7.1、8.2、17.1.2、17.1.3参照〕
- [成人の臨床試験で用いられた増量時*の基準]1). 血圧:症候性低血圧がみられず、収縮期血圧が95mmHg以上
- 2). 血清カリウム値:5.4mEq/L以下
- 3). 腎機能:eGFR 30mL/min/1.73㎡以上かつeGFRの低下率が35%以下
- *1回50mgから1回100mgへの増量時の基準であり、臨床試験ではいずれの項目も満たす患者が増量可能とされた
- [小児の臨床試験で用いられた増量時*の基準]1). 血圧:収縮期血圧が次の値超
- ・ 1歳以上10歳未満:70mmHg+2×年齢
- ・ 10歳以上:90mmHg
- 2). 血清カリウム値:5.4mEq/L以下
- 3). 腎機能:eGFRが次の値以上かつeGFRの低下率が35%未満
- ・ 12ヵ月以上19ヵ月未満:31mL/min/1.73㎡
- ・ 19ヵ月以上18歳未満:38mL/min/1.73㎡
- *目標用量に到達するまでの各段階の増量時の基準であり、臨床試験ではいずれの項目も満たす患者が増量可能とされた
- 7.3. 〈慢性心不全〉小児のうち、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシン2受容体拮抗薬が投与されている患者では、これらの用量や忍容性、及び患者の状態を踏まえ、医師が適切と判断した場合には、第1漸増用量から投与を開始することもできる〔7.1、8.2参照〕
- 7.4. 〈高血圧症〉本剤はサクビトリル及びバルサルタンに解離して作用する薬剤であるため、本邦のバルサルタンの承認用法及び用量での降圧効果、本剤の降圧効果を理解した上で、患者の状態、他の降圧薬による治療状況等を考慮し、本剤適用の可否を慎重に判断するとともに、既存治療の有無によらず1回100mgを1日1回からの開始も考慮すること〔17.1.3参照〕
- 7.5. 〈高血圧症〉慢性心不全を合併する高血圧症患者では、原則として慢性心不全の用法及び用量に従うこととするが、慢性心不全の発症に先んじて高血圧症の治療目的で本剤を使用している場合等は、患者の状態に応じて適切に用法及び用量を選択すること
※ 実際に薬を使用する際は、医師から指示された服用方法や使用方法・回数などを優先して下さい。
※ 薬は飲み合わせによって身体に悪い影響を及ぼすことがあります。 飲み合わせに関して気になることがあれば、担当の医師や薬剤師に相談してみましょう。
薬剤名 |
影響 |
ACE阻害剤 |
血管浮腫 |
アラセプリル |
血管浮腫 |
塩酸イミダプリル |
血管浮腫 |
マレイン酸エナラプリル |
血管浮腫 |
カプトプリル |
血管浮腫 |
キナプリル塩酸塩 |
血管浮腫 |
シラザプリル水和物 |
血管浮腫 |
塩酸テモカプリル |
血管浮腫 |
デラプリル塩酸塩 |
血管浮腫 |
トランドラプリル |
血管浮腫 |
塩酸ベナゼプリル |
血管浮腫 |
ペリンドプリルエルブミン |
血管浮腫 |
リシノプリル |
血管浮腫 |
アリスキレンフマル酸塩 |
非致死性脳卒中・腎機能障害・高カリウム血症及び低血圧のリスク増加、腎機能障害、高カリウム血症、低血圧 |
アンジオテンシン2受容体拮抗剤 |
腎機能障害、高カリウム血症、低血圧 |
アトルバスタチン |
血中濃度が上昇 |
PDE5阻害薬 |
血圧低下 |
シルデナフィル |
血圧低下 |
カリウム保持性利尿剤 |
血清カリウム値が上昇、血清クレアチニン値が上昇 |
トリアムテレン |
血清カリウム値が上昇、血清クレアチニン値が上昇 |
スピロノラクトン |
血清カリウム値が上昇、血清クレアチニン値が上昇 |
エプレレノン |
血清カリウム値が上昇、血清クレアチニン値が上昇 |
カリウム補給剤 |
血清カリウム値が上昇、血清クレアチニン値が上昇 |
塩化カリウム<補給剤> |
血清カリウム値が上昇、血清クレアチニン値が上昇 |
ドロスピレノン・エチニルエストラジオール |
血清カリウム値が上昇 |
トリメトプリム |
血清カリウム値が上昇 |
スルファメトキサゾール・トリメトプリム |
血清カリウム値が上昇 |
シクロスポリン |
血清カリウム値が上昇、Sacubitrilat又はバルサルタンの曝露量が増加し副作用が増強 |
降圧利尿剤 |
急激な血圧低下<失神及び意識消失等を伴う>、利尿作用が増強 |
フロセミド |
急激な血圧低下<失神及び意識消失等を伴う>、利尿作用が増強 |
トリクロルメチアジド |
急激な血圧低下<失神及び意識消失等を伴う>、利尿作用が増強 |
非ステロイド系抗炎症剤 |
本剤の降圧作用が減弱、腎機能を悪化 |
インドメタシン製剤 |
本剤の降圧作用が減弱、腎機能を悪化 |
リチウム製剤 |
レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害剤でリチウム中毒、利尿薬を使用する場合にはリチウム毒性のリスクがさらに増加 |
クラリスロマイシン |
Sacubitrilat又はバルサルタンの曝露量が増加し副作用が増強 |
エリスロマイシン |
Sacubitrilat又はバルサルタンの曝露量が増加し副作用が増強 |
ビキサロマー<服用> |
バルサルタンの血中濃度が約30~40%に低下、本剤の作用が減弱 |