処方薬
ワゴスチグミン注2mg

ワゴスチグミン注2mgの基本情報

ワゴスチグミン注2mgの概要

商品名 ワゴスチグミン注2mg
一般名 ネオスチグミンメチル硫酸塩注射液
薬価・規格 233.0円 (0.05%4mL1管)
薬の形状
注射薬 > 液剤 > 注射液
注射薬 > 液剤 > 注射液のアイコン
製造会社 共和薬品
ブランド ワゴスチグミン散(0.5%) 他
YJコード 1233400A3020
レセプト電算コード 620001300
添付文書PDFファイル

ワゴスチグミン注2mgの主な効果と作用

  • 呼吸を楽にするお薬です。
  • 弱っている胃腸の運動を調節する働きがあります。
  • 手術後や分娩後の排尿困難を治療するお薬です。
  • 筋力の低下や疲れやすいなどの重症筋無力症の症状を改善するお薬です。
  • 薬により起こる呼吸数の減少や呼吸の乱れなどをおさえる働きがあります。
  • 胃腸の運動を活発にするお薬です。
  • 筋肉の収縮を引き起こす物質(アセチルコリン)を分解する酵素の働きをおさえ、さらに、アセチルコリンの作用を増強させる働きがあります。

ワゴスチグミン注2mgの用途

  • 非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗
  • クラーレ剤<ツボクラリン>による遷延性呼吸抑制
  • 重症筋無力症
  • 手術後の排尿困難
  • 分娩後の排尿困難
  • 手術後の腸管麻痺消化管機能低下
  • 分娩後の腸管麻痺の消化管機能低下

ワゴスチグミン注2mgの副作用

※ 副作用とは、医薬品を指示どおりに使用したにもかかわらず、患者に生じた好ましくない症状のことを指します。 人により副作用の発生傾向は異なります。記載されている副作用が必ず発生するものではありません。 また、全ての副作用が明らかになっているわけではありません。

主な副作用

血圧降下、頻脈、気管支痙攣、気道分泌亢進、唾液分泌過多、悪心、嘔吐、下痢、発汗、めまい、不安

起こる可能性のある重大な副作用

コリン作動性クリーゼ、不整脈、心室性期外収縮、心室頻拍、心房細動、心停止、徐脈、房室ブロック、過度のコリン作動性反応

上記以外の副作用

興奮、虚脱、脱力、筋攣縮、骨格筋の線維束攣縮、縮瞳、過敏症状、腹痛

ワゴスチグミン注2mgの用法・用量

  • 〈重症筋無力症、クラーレ剤(ツボクラリン)による遷延性呼吸抑制、消化管機能低下のみられる手術後及び分娩後の腸管麻痺、手術後及び分娩後における排尿困難〉通常、成人にはネオスチグミンメチル硫酸塩として1回0.25~1.0mgを1日1~3回皮下又は筋肉内注射する
    • なお、重症筋無力症の場合は症状により、その他の適応の場合は年齢、症状により、それぞれ適宜増減する
  • 〈非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗〉通常、成人にはネオスチグミンメチル硫酸塩として1回0.5~2.0mgを緩徐に静脈内注射する
    • なお、年齢、症状により適宜増減する
  • ただし、アトロピン硫酸塩水和物を静脈内注射により併用すること
  • (用法及び用量に関連する注意)7.1. 非脱分極性筋弛緩剤(ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物等)の作用の拮抗に本剤を静脈内注射する場合には、次記の点に注意すること
  • 7.1.1. 非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗に本剤を静脈内注射する場合、本剤の投与は、筋弛緩モニターによる回復又は自発呼吸の発現を確認した後に行うこと
  • 7.1.2. 非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗に本剤を静脈内注射する場合、本剤は特別な場合を除き5mgを超えて投与しないこと
  • 7.1.3. 非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗に本剤を静脈内注射する場合、徐脈がある場合には、本剤投与前にアトロピン硫酸塩水和物を投与して脈拍を適度に増加させておくこと〔9.1.4参照〕
  • 7.1.4. 非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗に本剤を静脈内注射する場合には、過度のコリン作動性反応を防止するため、通常、成人にはアトロピン硫酸塩水和物として1回0.25~1.0mgを静脈内注射により併用すること
    • なお、アトロピン硫酸塩水和物は必要に応じ適宜増減すること
  • 7.1.5. 非脱分極性筋弛緩剤の作用の拮抗に本剤を静脈内注射する場合、更に血圧低下、徐脈、房室ブロック、心停止等が起こることがあるのでアトロピン硫酸塩水和物0.5~1.0mgを入れた注射器をすぐ使えるようにしておくこと(これらの副作用があらわれた場合には、アトロピン硫酸塩水和物等を追加投与すること)〔11.1.2参照〕
※ 実際に薬を使用する際は、医師から指示された服用方法や使用方法・回数などを優先して下さい。

ワゴスチグミン注2mgの使用上の注意

病気や症状に応じた注意喚起

  • 以下の病気・症状がみられる方は、添付文書の「使用上の注意」等を確認してください
    • 過敏症
    • 消化管器質的閉塞
    • 尿路器質的閉塞
    • 迷走神経緊張症
    • 脱分極性筋弛緩剤投与中
    • 重篤な腎機能低下
    • 冠動脈閉塞
    • 気管支喘息
    • 甲状腺機能亢進症
    • 消化性潰瘍
    • 徐脈
    • てんかん
    • パーキンソン症候群
    • β遮断剤投与中
    • カルシウム拮抗剤投与中

患者の属性に応じた注意喚起

年齢や性別に応じた注意喚起

ワゴスチグミン注2mgの注意が必要な飲み合わせ

※ 薬は飲み合わせによって身体に悪い影響を及ぼすことがあります。 飲み合わせに関して気になることがあれば、担当の医師や薬剤師に相談してみましょう。

薬剤名 影響
脱分極性筋弛緩剤 作用を増強
スキサメトニウム塩化物水和物 作用を増強
コリン作動薬 相互に作用が増強
アセチルコリン 相互に作用が増強
アクラトニウムナパジシル酸塩 相互に作用が増強
副交感神経抑制剤 コリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化
硫酸アトロピン コリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化
臭化水素酸スコポラミン コリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化
臭化ブトロピウム コリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化
カルシウム拮抗剤 房室ブロック
ジルチアゼム 房室ブロック
β-遮断剤 徐脈、低血圧
アテノロール 徐脈、低血圧
プロプラノロール 徐脈、低血圧
神経筋遮断作用のある抗生物質 本剤の筋弛緩拮抗作用を減弱
アミノグリコシド系抗生物質 本剤の筋弛緩拮抗作用を減弱
ポリペプチド系抗生物質 本剤の筋弛緩拮抗作用を減弱

ワゴスチグミン注2mgと主成分が同じ薬

  • 注射薬 > 液剤 > 注射液のアイコン
    薬価 233.0円 (0.05%4mL1管)
    薬の形状 注射薬 > 液剤 > 注射液
    製造会社 共和薬品
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ワゴスチグミン注2mgに関係する解説

コリンエステラーゼ阻害薬(重症筋無力症などの治療薬)

  • ワゴスチグミン注2mgは、コリンエステラーゼ阻害薬(重症筋無力症などの治療薬)に分類される。
  • コリンエステラーゼ阻害薬(重症筋無力症などの治療薬)とは、神経伝達物質アセチルコリンの分解酵素(コリンエステラーゼ)を阻害し、アセチルコリンの分解を抑えアセチルコリンの作用を増強することで、重症筋無力症における目や口、全身の筋力低下などを改善する薬。

コリンエステラーゼ阻害薬(重症筋無力症などの治療薬)の代表的な商品名

  • メスチノン
  • ウブレチド
  • マイテラーゼ
  • ワゴスチグミン
コリンエステラーゼ阻害薬(重症筋無力症などの治療薬)についての詳しい解説を見る