抗アミロイドβ凝集体モノクロナール抗体製剤(アルツハイマー病治療薬)
アミロイドβというタンパク質の凝集体(アミロイドβが集まってできた塊)に結合し脳内から除去する(減少させる)ことで、アルツハイマー病の病態進行を抑える薬
抗アミロイドβ凝集体モノクロナール抗体製剤(アルツハイマー病治療薬)の解説
抗アミロイドβ凝集体モノクロナール抗体製剤(アルツハイマー病治療薬)の効果と作用機序
- アミロイドβというタンパク質の凝集体(アミロイドβが集まってできた塊)に結合し脳内から除去する(減少させる)ことで、アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)の
病態 進行を抑える薬
- 本剤は原則として、検査(アミロイドβPET、
脳脊髄液検査 など)によりアミロイドβによる病理が確認された病態 に限って使用される
抗アミロイドβ凝集体モノクロナール抗体製剤(アルツハイマー病治療薬)の薬理作用
アルツハイマー病は認知症のひとつで、記憶障害(もの忘れ)、実行機能障害(問題解決能力の低下)、見当識障害(時間や場所の見当がつかない)など認知機能障害が引き起こされ、その病態には脳内でつくられるアミロイドβというタンパク質が深く関わる。
アミロイドβは、神経細胞外で凝集・沈着し、これが引き金となり、神経細胞への毒性を示し、神経細胞の破壊やシナプス障害を引き起こすことで、認知機能障害などがあらわれるとされている。
アミロイドβは、単量体のモノマーが、いくつも集まってオリゴマー(可溶性)、プロトフィブリル(可溶性)、フィブリル(不溶性)といったより大きな物質(凝集体)を形成し、これらがさらに集まることで最終的には細胞外でアミロイドβプラークを形成するが、このアイロイドβプラークの脳内での蓄積がアルツハイマー病の病理上の特徴となっている。
本剤はアミロイドβの凝集体に結合し、脳内のアミロイドβプラークを減少させる抗体製剤となる。本剤のうちレカネマブは、プロトフィブリル対しての抗体製剤だが、フィブリルなどのほかの凝集体にも結合親和性を示し、アミロイドβプラークを減少させると考えられている。また、本剤のうちドナネマブは、不溶性のN3pGアミロイドβ(N末端第3残基がピログルタミル化されたアミロイドβ)に結合することでアミロイドβプラークの除去を促進させると考えられている。
なお、本剤は原則として、事前の精密な検査(例えば、アミロイドβPET検査、脳脊髄液検査など)によりアミロイドβによる病理が確認されたアルツハイマー病(その中でも主に軽度な病態)に対して、専門的な診断のもと、適切に使用される薬剤となる。
抗アミロイドβ凝集体モノクロナール抗体製剤(アルツハイマー病治療薬)の主な副作用や注意点
- インフュージョンリアクション(薬剤投与による
免疫 反応などによりおこる有害事象)- 息切れ、咳、呼吸困難、
意識障害 、まぶた ・唇・舌の腫れ、発熱、悪寒、めまい、動悸 、意識や判断力の低下、ほてり、蕁麻疹などがあらわれる場合がある
- 息切れ、咳、呼吸困難、
- 皮膚症状
皮疹 、紅斑 などがあらわれる場合がある
- 精神神経系症状
- 頭痛、めまい、平衡障害などがあらわれる場合がある
- 脳症状(アミロイド関連画像異常〔ARIA〕)
浮腫 、滲出液 貯留、微小出血、ヘモジデリン(漏れ出た血液中のフェリチンが変性 した物質)沈着、出血などがあらわれる場合がある- 顔や手足の筋肉がぴくつく、一時的にボーっとする、意識の 低下、手足の筋肉が硬直しガクガクと震える、頭痛、注意力が散漫になる、問いかけに間違った答えをする、行動にまとまりがない、文字や形がみえにくい、視野の異常、めまい、 吐き気、歩行障害などがみられた場合は医師や薬剤師に連絡するなど適切に対処する
- 投与に関しての注意点(適する
病態 )- 本剤は原則として、アミロイドPTP(脳内アミロイドβの可視化)検査や
脳脊髄液 (CSF)検査などの実施によりアミロイドβによる病理が確認されたアルツハイマー病に使用する
- 本剤は原則として、アミロイドPTP(脳内アミロイドβの可視化)検査や