サイクリン依存性キナーゼ阻害薬(CDK4/6阻害薬)
細胞分裂の制御を不能にしているサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を阻害することで、細胞周期の進行を停止させ抗腫瘍効果をあらわす薬
サイクリン依存性キナーゼ阻害薬(CDK4/6阻害薬)の解説
サイクリン依存性キナーゼ阻害薬(CDK4/6阻害薬)の効果と作用機序
- 細胞分裂の制御を不能にしているサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を阻害することで抗
腫瘍 効果をあらわす薬がん 細胞は無秩序な増殖を繰り返したり転移 を行うことで、正常な細胞を障害し組織を壊す- がん細胞などにおいてはCDKという
酵素 が活性化することで、細胞分裂の制御ができなくなっている - 本剤はCDK4及びCDK6を阻害することで細胞周期の進行を停止させ抗腫瘍効果をあらわす
サイクリン依存性キナーゼ阻害薬(CDK4/6阻害薬)の薬理作用
がん細胞は無秩序な増殖を繰り返し正常な細胞を障害し、転移を行うことで本来がんのかたまりがない組織でも増殖する。
通常、多くの細胞では無秩序な細胞分裂が行われないように細胞周期の途中で制御がかかる。しかし、がん細胞などにおいてはCDK4やCDK6といったサイクリン依存性キナーゼ(CDK:Cyclin Dependent Kinase)という酵素がこの制御を不能にし、細胞が無秩序に増殖する原因になるとされる。
CDK4/6阻害薬は細胞の分裂が行われる細胞周期の制御などに関わるCDKを阻害(CDK4/6とサイクリンDからなる複合体の活性を阻害)することで細胞周期の進行を停止させ抗腫瘍効果をあらわす。
本剤の中で、パルボシクリブはCDK4及びCDK6に対して高い選択性を有する世界初のCDK4/6阻害薬で、エストロゲン受容体(ER)陽性でHER2陰性の乳がんに対して内分泌療法(抗エストロゲン薬やアロマターゼ阻害薬などによる治療)との併用による有用性などが確認されている。また、アベマシクリブは2018年に承認され、こちらも内分泌療法との併用による有用性などが確認されている。
サイクリン依存性キナーゼ阻害薬(CDK4/6阻害薬)の主な副作用や注意点
サイクリン依存性キナーゼ阻害薬(CDK4/6阻害薬)の一般的な商品とその特徴
イブランス
- パルボシクリブ製剤
- 剤形と服用方法(食事の有無)に関して
- カプセル剤:通常、食後に服用する
- 錠剤:通常、食事の有無に関わらず服用可能
ベージニオ
- アベマシクリブ製剤
- 服用方法などに関して
- 通常、1日2回、個々に適する投与量を連日服用する(一般的に食事の有無に関わらず服用可能だが、医師の指示などに合わせて適切に服用する)