プロスタグランジンI2製剤(プロスタサイクリン製剤)
体内物質プロスタグランジンI2(プロスタサイクリン)を元に造られた製剤で、抗血小板作用、血管拡張作用などをあらわし、血流を改善させることなどによって冷感や疼痛などを生じる慢性動脈閉塞症や肺動脈の血圧が上昇し心臓や肺の機能障害をもたらす肺高血圧症などの治療に使われる薬
プロスタグランジンI2製剤(プロスタサイクリン製剤)の解説
プロスタグランジンI2製剤(プロスタサイクリン製剤)の効果と作用機序
- 血流の改善や血管を拡張させることで、末端の手足の冷たさやしびれ、痛み、
潰瘍 などを改善する薬動脈硬化 や血小板 の凝集(血液が固まりやすくなる)などが亢進すると血行の悪化などにより冷感、痛みなどの症状 があらわれる- 体内のプロスタグランジンI2(PGI2)という物質は血小板凝集を抑えたり血管を拡張させる作用などをあらわす
- 本剤はPGI2とほぼ同様の作用をもつ薬剤で、抗血小板作用や血管拡張作用などをあらわす
- 肺動脈性肺高血圧症などの治療に使用する場合もある
プロスタグランジンI2製剤(プロスタサイクリン製剤)の薬理作用
動脈硬化、血液中の血小板の凝集(血液が固まりやすくなる)、血管収縮などによって末梢の循環障害は起こりやすくなり、この状態が続くと冷感、疼痛、潰瘍などの症状があらわれる。
体内物質のプロスタグランジンI2(PGI2:プロスタサイクリン)は抗血小板作用、末梢血管拡張作用、末梢血流増加作用などをあらわす。
本剤はPGI2を元にして造られた製剤で体内でPGI2とほぼ同様の作用をあらわすことで、閉塞性動脈硬化症やバージャー病(ビュルガー病:閉塞性血栓血管炎)などの慢性動脈閉塞症に伴う諸症状の改善が期待できる。
また本剤は肺血管を拡張させる作用、肺血管中膜の筋性肥大を抑える作用、抗血栓作用などをあらわすことで肺動脈性肺高血圧症などの治療にも使われる。
プロスタグランジンI2製剤(プロスタサイクリン製剤)の主な副作用や注意点
- 出血傾向
- 頻度は非常に稀である
- あおあざができやすい、皮下や歯ぐきの出血、鼻血などの
症状 がみられた場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
- 精神神経系
症状 - 頭痛、めまい、眠気などがあらわれる場合がある
- 服用中は自動車の運動など危険を伴う機械の操作に注意する
- 循環器症状
- 潮紅、ほてり、のぼせ、
動悸 、血圧低下などがあらわれる場合がある
- 潮紅、ほてり、のぼせ、
- 消化器症状
- 吐き気、下痢、腹部不快感などがあらわれる場合がある
肝機能障害 (主に内服薬 )- 頻度は非常に稀である
倦怠感 、食欲不振、発熱、黄疸 などがみられ症状 が続く場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する