EPA製剤
脂質合成を抑えたりトリグリセリド(中性脂肪)の分解を促進する作用などにより、血液中の脂質などを改善する薬
同義語:
イコサペント酸エチル製剤,エイコサペンタエン酸製剤

EPA製剤の解説

EPA製剤の効果と作用機序

  • 脂質合成を抑えたりトリグリセリド中性脂肪)の分解を促進する作用などにより、血液中の脂質などを改善する薬
    • 肝臓においてコレステロールやトリグリセリドなどの脂質が合成されている
    • 体内のリポ蛋白という物質が代謝される際、リポ蛋白中のトリグリセリドなどが分解される
    • 本剤は魚の油を原料としたイコサペント酸(EPA)を含む製剤で、脂質合成を抑える作用やリポ蛋白の代謝を促進させるなどの様々な作用をもつとされる
  • 血液や血管に対する作用に関して
    • 血液を固まりにくくする作用や血管の弾力性を保つなどの作用があるとされる
    • 閉塞性動脈硬化症やそれに伴う疼痛や冷感の改善などに使用する場合もある

EPA製剤の薬理作用

脂質異常症(高脂血症)はコレステロールやトリグリセリド(中性脂肪)の数値異常がおこり、動脈硬化を早めるなど様々な病気の温床となる。

肝臓においてコレステロールやトリグリセリドなどの脂質が作られている。体内のリポ蛋白という物質はコレステロールやトリグリセリドを含み、このリポ蛋白が代謝されるとトリグリセリドなどが分解される。

本剤は魚の油が原料となっているEPA(イコサペント酸)製剤である。EPAは肝臓での脂質の合成・分泌を抑え、リポ蛋白の代謝を促進させることでトリグリセリドの分解を促進し血液中の脂質を低下させるとされる。

また本剤は血小板凝集(血液が固まりやすくなる)作用を抑える抗血小板作用、血管壁に入り動脈の弾力性を保持するなどの様々な作用をもつとされる。そのため閉塞性動脈硬化症やそれに伴う疼痛や冷感などの改善に使用される場合もある。

EPA製剤の主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 悪心や胃部不快感、胸やけなどの症状が現れる場合がある
    • 症状が続く場合は医師や薬剤師に連絡する
  • 肝機能障害
    • 頻度は稀とされている
    • 倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸、吐き気、痒みなどがみられ症状が続く場合は放置せず、医師や薬剤師に連絡する
  • 服用方法に関しての注意
    • 薬の吸収などの理由から食直後(一般的に、食事摂取後の10分以内)の服用が推奨される

EPA製剤の一般的な商品とその特徴

エパデール

  • EPA製剤
  • 閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍疼痛及び冷感などの改善に使用される場合もある
  • エパデールEMに関して
    • 1日1回服用タイプのEPA製剤

ロトリガ

  • EPAとDHA(ドコサヘキサエン酸)を主成分とする製剤(EPAとDHAはオメガー3脂肪酸という不飽和脂肪酸に分類される)
  • トリグリセリドの数値などによっては「1回2g、1日2回(1日量4g〔2包分〕)」まで増量できる