にょうへい
尿閉
1人の医師がチェック 4回の改訂 最終更新: 2021.03.03

尿閉の基礎知識

POINT 尿閉とは

膀胱から先に尿を押し出すことができない状態を指します。尿閉が起こると下腹部の膨満感を感じ、強い痛みを感じることもればほとんど無症状のこともあります。尿閉は前立腺肥大症や糖尿病を原因とする神経因性膀胱の人に多くみられるので、持病がある人は特に注意してください。診断には問診や身体診察、腹部超音波検査が行われます。治療は導尿(細い管を尿道から入れて尿を出す)や膀胱瘻(お腹から膀胱に管を入れること)のいずれかが行われます。尿がでなくなり、お腹が張る場合は尿閉が起こっている可能性があります。救急科もしくは泌尿器科を受診してください。

尿閉について

  • 膀胱内に貯留した尿を排泄できない状態。
  • 尿を作ることは正常にできるため、無尿や乏尿とは区別される。
  • 発症の経過により、急性尿閉と慢性尿閉に分けられる。
  • 高齢者に発症しやすい。
  • 神経因性膀胱が原因になる場合がある(とくに女性の場合)。男性の場合には前立腺肥大症前立腺がんが原因となることが多い。

尿閉の症状

  • 腹部膨満
  • 腹痛
  • 尿がでない

尿閉の検査・診断

  • 腹部超音波検査
    • 膀胱が拡張し尿がたくさん貯まっているかどうかをみる
  • 腹骨盤部CT
    • 膀胱の拡張の状態をみる
    • 前立腺肥大症などの尿がでない原因が隠れていないかをみる
    • 他の病気が隠れていないかを確認する

尿閉の治療法

  • 導尿
  • 持続導尿
    • バルーン付きカテーテルを留置する。
  • 前立腺肥大症前立腺がんが原因の場合にはその治療が行われることもある。
  • 尿の排泄の調節には内服薬が用いられる場合がある。
  • 原因に慢性の排尿障害がある場合が多く、治療後も症状を繰り返したり、尿路感染症合併したりすることがある。