急性緑内障発作の基礎知識
POINT 急性緑内障発作とは
人間の目の中は、房水という液体が常に循環しています。房水の出口は黒目の付け根の隅角という所にありますが、この隅角が生まれつき狭い人がいます。隅角が狭い人には急性緑内障発作が起こる可能性があります。白内障の進行や、暗い場所でうつむくことなどがきっかけになって、急に隅角が詰まり、行き場所をなくした房水によって眼の中の圧が急激に上昇します。この状態が急性緑内障発作です。眼のかすみや、眼の痛み、頭痛、眼の充血などの症状が現れます。治療は眼科で行い、点滴や内服薬で眼の圧を下げ、必要に応じてレーザー治療や、手術が検討されます。治療によってほとんどの人が元の見え方に戻りますが、治療が遅れると失明する可能性があります。症状に当てはまる人は速やかに受診してください。
急性緑内障発作について
急性緑内障発作の症状
- 自覚
症状 - 眼の痛み
- 頭痛
- 吐き気
- 視力低下(放置していると
失明 することもある)
- 他覚症状
- 目の充血
- 瞳孔(黒目の中心の部分)が大きくなる
- 角膜(黒目の部分)に異常が生じる(
むくみ や濁りなど)
急性緑内障発作の検査・診断
- 急性緑内障発作では、目の状況とその他の
症状 と併せて総合的に診断する - 以下は閉塞隅角緑内障に関する検査である
眼圧検査 :目の圧力を調べる- 隅角鏡検査:隅角の状態を調べる
- 超音波生体顕微鏡検査:隅角の形状を調べる
急性緑内障発作の治療法
- 以下、急性緑内障発作時の治療について述べる
- 薬物治療
- 高張浸透圧薬
- マンニトールやグリセオールの点滴を行う
- 縮瞳作動薬
- ピロカルピン点眼を行い縮瞳させることで眼圧を下げる
- 炭酸脱水
酵素 阻害薬- 房水が作られるの抑制して眼圧を下げる
- 高張浸透圧薬
- 手術療法
- レーザー虹彩切開術や手術的虹彩切除術がある
- 十分に眼圧を下げてから実施する必要がある
急性緑内障発作の経過と病院探しのポイント
急性緑内障発作が心配な方
急性緑内障発作を診療する専門は眼科医師ですが、診断がつく前に急激な頭痛で、原因が眼だと思わずに救急科を受診する方も多いです。しかし急性緑内障発作は緊急での対応が必要な病気です。急激で非常に強い眼の痛みが出現し、眼が充血して吐き気を伴うことがあります。数時間単位での迅速な対応が必要で、この発作が疑わしい場合はすぐに近くの眼科(眼科がなければ総合病院の救急外来)を受診する必要があります。
とりあえずの応急処置は眼科があれば病院でもクリニックでも行うことができますが、点滴治療などの処置を行うこともありますので、もし近くにあればクリニックではなく病院の眼科受診が勧められます。
急性緑内障発作は、急激に眼球内部の圧力が高まって、1日から数日以内に失明につながる緊急性の高い状態です。緑内障発作だと気づかずに、頭痛だと思って内科を受診し、診断がつかないまま治療が後れてしまうことがあります。もともと緑内障(特に閉塞隅角緑内障)のある方は注意が必要です。
急性緑内障発作のタグ
急性緑内障発作に関わるからだの部位
