せきりあめーばしょう
赤痢アメーバ症(総論)
アメーバ赤痢と呼ばれる病原体による感染症の総称
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最終更新: 2017.12.06
赤痢アメーバ症(総論)の基礎知識
POINT 赤痢アメーバ症(総論)とは
アメーバ赤痢による感染症の総称です。日本では年間700-800人ほどが感染していますが、世界で年間5億人ほどが感染していると言われています。大きく分けると大腸に感染を起こすパターンと肝臓に感染を起こすパターンになります。主な症状は、発熱・倦怠感・下痢・粘血便・右肋骨周囲の痛みなどになります。 感染を起こしている部位の分泌液を採取して、アメーバ赤痢やその嚢子を見つけることで診断します。治療にはメトロニダゾールという抗菌薬を用います。赤痢アメーバ症が心配な人や治療したい人は、消化器内科や感染症内科を受診して下さい。
赤痢アメーバ症(総論)について
- アメーバ赤痢と呼ばれる病原体による
感染症 の総称 - 世界で5億人がアメーバ赤痢症にかかっていると言われている
- 感染した人が排泄した、赤痢アメーバの嚢子(のうし)によって感染が広がる
- 嚢子に汚染された食物を、生で食べることで感染する
- 性行為では肛門をなめることによって口から感染する
- アメーバ赤痢に感染した人の中でも、
発症 する割合は5-10%程度- 感染したが発症していない
無症候性 の感染者であっても、周囲へ感染を広げる原因(キャリア)になる - 日本でも年間700-800人の患者が報告され、年々増加している
- 感染したが発症していない
- 大腸に
炎症 を起こす大腸炎と、肝臓に膿 が溜まる肝膿瘍の2つに大きく分類される(詳細はそれぞれの疾患を参照)
赤痢アメーバ症(総論)の症状
赤痢アメーバ症(総論)の検査・診断
- 便の中から赤痢アメーバの存在を見つける
下部消化管内視鏡検査 (大腸カメラ )を行って、腸管アメーバ症に特有の腸の潰瘍 を見つける- 血液検査を行い、赤痢アメーバに対する
抗体 をチェックする
赤痢アメーバ症(総論)の治療法
抗菌薬 を用いて治療する- メトロニダゾールという抗菌薬を用いて治療する
- メトロニダゾールは副作用が出ることがあるので注意が必要
- 吐き気
- 嘔吐
倦怠感 皮疹 - 運動
失調 (手足が動かしづらい、ふらふらするなど) - めまい
赤痢アメーバ症(総論)に関連する治療薬
メトロニダゾール製剤
- 細菌や原虫のDNAの切断作用などにより、抗菌作用や抗原虫作用をあらわす薬
- 細菌や原虫などが生命活動を行うには遺伝情報が刻まれたDNAが必要となる
- 本剤は細菌や原虫といった病原微生物に取り込まれた後、抗菌作用及び抗原虫作用をあらわす
- 本剤は細菌や原虫のDNA切断作用などをあらわす
- 本剤は原虫であるトリコモナスによる感染症の他、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)などの嫌気性細菌の感染症などで使用する