べんちゅうしょう
鞭虫症
熱帯、温帯地方などに見られる寄生虫の一種である、鞭虫による腸の感染症
4人の医師がチェック 45回の改訂 最終更新: 2017.12.06

鞭虫症の基礎知識

POINT 鞭虫症とは

鞭虫と呼ばれる寄生虫の一種による感染です。腸に寄生するためお腹の症状が出ることが多いです。主な症状は腹痛・下痢・粘血便・体重減少・黄疸(皮膚や目が黄色くなる)になります。 大腸内視鏡検査や便検査を行って、鞭虫の虫卵を見つけることで診断します。治療には抗寄生虫薬を用います。鞭虫症が心配な人や治療したい人は、感染症内科を受診して下さい。

鞭虫症について

  • 熱帯、温帯地方などに見られる寄生虫の一種である、鞭虫による腸の感染症
    • ヒト鞭虫は回虫の一種
  • 鞭虫は数センチ〜10センチほどの長さで頭の方が細く、鞭のように見える
    • 主に盲腸に寄生している
    • 7-10年間生存する
    • 卵は便に混ざって排泄される
  • 回虫の卵が食物などと一緒に摂取されることが原因となる
    • 口から入った回虫の卵が小腸で孵化し、大腸に移動し頭部を腸壁に侵入させる
  • 熱帯、亜熱帯などの高温多湿の地方でよく見られる
    • 世界中で約10億人が感染している

鞭虫症の症状

  • 主な症状
    • 腹痛
    • 食欲減退
    • 下痢
  • 成虫の数が多い場合
    • 慢性的な下痢
      • 夜中に便意を催すことが多い
    • 血便
    • 貧血
    • 体重減少
    • 脱肛を生じる 

鞭虫症の検査・診断

  • 大腸内視鏡検査
  • 便検査
    • 便や腸の中に虫卵を見つけること診断が確定される

鞭虫症の治療法

  • 駆虫薬(メベンダゾール、アルベンダゾール)の内服
    • メゾンダールとアルベンダゾールは胎児に影響するので、妊婦や妊娠の可能性のある女性は使用を避ける
  • 予防のためには、適切な公衆衛生と個人の衛生管理が重要
    • 流行地では、洗っていない果物や野菜は口にしない

鞭虫症のタグ

鞭虫症に関わるからだの部位