ごーしぇびょう
ゴーシェ病
身体が正常に脂肪物質を代謝できず、それが体内の臓器に蓄積していってしまう先天性疾患
5人の医師がチェック
17回の改訂
最終更新: 2019.01.31
ゴーシェ病の基礎知識
POINT ゴーシェ病とは
身体が正常に脂肪物質を利用できないために、体の中の臓器に蓄積してしまう先天性の病気のことです。3つのタイプがあり、発症する時期や症状に違いがあります(それぞれの症状については下記参照)。ゴーシェ病が疑われる人には血液検査や骨髄検査、画像検査、遺伝子解析が行われます。主な治療は不足している酵素の補充で、骨髄移植が検討されることもあります。ゴーシェ病の診療は専門的な診療が行える内分泌内科や小児科で行われます。
ゴーシェ病について
- 身体が正常に脂肪物質を
代謝 できず、それが体内の臓器に蓄積していってしまう先天性疾患 - グリコセレブロシダーゼと呼ばれる
酵素 (脂肪物質の分解を行う)の欠損 - リピドーシスの一種
- グリコセレブロシダーゼと呼ばれる
- 日本では5万人に1人程度と言われている
- 判明しているだけで国内に150人の患者がいる
- 病気は以下の3つにタイプ分けされる
- 1型(非神経型)
- 神経症状を伴わない
発症 年齢には特に傾向がない
- 2型(急性神経型):強い神経症状を来たし、乳児期に発症、乳幼児期に死亡することが多い
- 3型(亜急性神経型):乳児期を過ぎてから症状が現れる
- 1型(非神経型)
- 小児慢性特定疾患に指定されており、申請を行えば病状の進行の程度によって医療費の補助を受けることができる
ゴーシェ病の症状
ゴーシェ病の検査・診断
- 主な検査
- 生化学的検査:酸性フォスファターゼやアンギオテンシン変換
酵素 が上昇しているかを確認する 骨髄 検査:骨髄の中にゴーシェ細胞が存在するかを確認する- 画像検査:
レントゲン (X線 写真)検査、MRI 検査 - 皮膚線維芽細胞のグルコセレブロシダーゼ活性の測定
- 遺伝子解析
- 生化学的検査:酸性フォスファターゼやアンギオテンシン変換
ゴーシェ病の治療法
酵素 補充療法:足りない酵素を補充する骨髄移植 を行う場合もある
- 骨髄移植
GVHD (移植片対宿主病 )のリスクもあるので、メリットとデメリットを慎重に吟味する必要がある
- ケミカルシャペロン療法
- 2型、3型の治療目標は、神経症状の改善でなく、全身状態や
QOL の改善となる- 特に2型の場合は
予後 が非常に悪く、2歳までに死亡することが多い
- 特に2型の場合は