かまじょうせっけっきゅうしょう
鎌状赤血球症
赤血球が鎌状(三日月形)になり、赤血球が壊れやすくなる病気。溶血性貧血の原因となる
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最終更新: 2017.12.21
鎌状赤血球症の基礎知識
POINT 鎌状赤血球症とは
血液中の成分である赤血球は、肺で酸素を取り込み全身に届ける役割があります。体内での赤血球寿命は約120日ほどですが、より早期に赤血球が破壊されてしまうこと(溶血)により起きる貧血が溶血性貧血です。鎌状赤血球症はほぼ黒人にしか見られない、遺伝性の溶血性貧血です。 症状としては、めまい、立ちくらみ、動悸、息切れ、だるさ、疲れやすさなどの貧血症状に加えて、黄疸(おうだん:皮膚や目が黄色くなる)、脾腫(脾臓が腫れてお腹が張る)などがあります。運動や登山、病気などの影響で低酸素状態になると、疼痛発作と呼ばれる発作を起こし、貧血の急激な進行や、手足の痛み、腹痛、発熱などが出ることもあります。鎌状赤血球症の診断は採血で行います。治療は疼痛発作の予防が重要になります。鎌状赤血球症が心配な方や治療したい方は血液内科や小児科を受診するのがよいですが、日本人では見られない病気なので、専門性の高い医療機関で診断や治療を受ける必要があるでしょう。
鎌状赤血球症について
鎌状赤血球症の症状
鎌状赤血球症の検査・診断
- 血液検査
- 血液を顕微鏡で確認すると、鎌状の
赤血球 や、壊れた赤血球の破片が見られる ヘモグロビン 電気泳動法という検査も行われる
- 血液を顕微鏡で確認すると、鎌状の
鎌状赤血球症の治療法
症状 を抑える治療(対症療法 )がメイン- 血液中の酸素量が減るような激しい運動を避ける
感染症 にかからないように特に気をつけ、風邪などでも医療機関を受診するようにする- ワクチン接種をしっかりと行う
- 6歳くらいまで予防的に
抗生物質 を飲み続ける
- 根治することを目標に
骨髄移植 が行われることがある- 高リスクな治療なので、あまり行われない
- 血液検査、遺伝子検査により、子どもが鎌状赤血球症になりやすいか調べることができる