がそくえん(がそくかつえきほうえん)
鵞足炎(鵞足滑液包炎)
膝の内側にある足の筋肉の鵞足部(半腱様筋、薄筋、縫工筋の付着部)の炎症
3人の医師がチェック 61回の改訂 最終更新: 2023.06.18

鵞足炎(鵞足滑液包炎)の基礎知識

POINT 鵞足炎(鵞足滑液包炎)とは

膝の内側を鵞足部といい、ここに炎症が起こる状態を鵞足炎といいます。運動後や運動中に鵞足部に痛みが現れ、抑えると痛みが強くなります。筋力不足やオーバートレーニング、不適切な靴の使用などが原因として考えられています。診断には特別な検査は必要ではなく、問診と診察でほとんどが診断できます。靭帯へのダメージが疑われる場合には、MRI検査を行い状態が確認されます。基本的には治療は患部を冷やすことで、腫れが引くまではできるだけ安静にしておくのがよいです。鵞足炎が疑われる人は整形外科を受診してください。

鵞足炎(鵞足滑液包炎)について

  • 膝の内側にある、足の筋肉の鵞足部(半腱様筋、薄筋、縫工筋の付着部)の炎症
    • 腱同士が擦れあうことや、腱と骨がすれ合うことで炎症が生じる
  • 主な原因
    • 筋力不足
    • 不適切な筋肉の使い方
    • 骨の成長と筋の伸びとのアンバランス
    • からだの柔軟性不足
    • オーバートレーニング
    • 選手の体力や技術に合わない練習
    • 不適切な靴(サイズが合っていない、靴底が斜めにすり減っているなど)
    • スポーツの練習場などが硬すぎたり柔らかすぎる

鵞足炎(鵞足滑液包炎)の症状

  • 運動後や運動中に膝の内側(鵞足部)に痛みが出る
  • 鵞足部を押さえると痛みが出る

鵞足炎(鵞足滑液包炎)の検査・診断

  • 基本的に問診と診察から診断される
    • 鵞足部を押すと痛みが出ることが特徴的
  • 症状の似た別の疾患を除外するための診察と検査
    • 他部位の圧痛の確認
    • レントゲン検査:骨折など他の病気でないことを確認する
    • MRI検査:半月板靭帯損傷の可能性がある場合に確認する

鵞足炎(鵞足滑液包炎)の治療法

  • 主な治療
    • 急に痛みが発生した場合
      • 患部を冷やし、テーピングで固定する
    • 症状が長く続く場合
      • 一定の期間が過ぎたら、患部を温めたり積極的に動かして血行を促進する
    • 軽症の場合
      • 膝を安静にしてなるべく運動を避ける
      • 炎症が治まり数週間で自然と治まる
    • 痛みが強い場合
      • アイシング:安静を保ちつつ患部を冷やす
      • 消炎鎮痛剤(シップや塗り薬)を使って炎症を抑える
      • ステロイドを患部に注射することがある
  • 予防法と再発予防法
    • 普段から鵞足部やその周辺(ハムストリングス、内転筋など)の筋力トレーニング・ストレッチングを行う
    • ジョギングやランニングは、クッション性の高い靴を履き平坦な道で行う

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