がそくえん(がそくかつえきほうえん)
鵞足炎(鵞足滑液包炎)
膝の内側にある足の筋肉の鵞足部(半腱様筋、薄筋、縫工筋の付着部)の炎症
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最終更新: 2023.06.18
鵞足炎(鵞足滑液包炎)の基礎知識
POINT 鵞足炎(鵞足滑液包炎)とは
膝の内側を鵞足部といい、ここに炎症が起こる状態を鵞足炎といいます。運動後や運動中に鵞足部に痛みが現れ、抑えると痛みが強くなります。筋力不足やオーバートレーニング、不適切な靴の使用などが原因として考えられています。診断には特別な検査は必要ではなく、問診と診察でほとんどが診断できます。靭帯へのダメージが疑われる場合には、MRI検査を行い状態が確認されます。基本的には治療は患部を冷やすことで、腫れが引くまではできるだけ安静にしておくのがよいです。鵞足炎が疑われる人は整形外科を受診してください。
鵞足炎(鵞足滑液包炎)について
- 膝の内側にある、足の筋肉の鵞足部(半腱様筋、薄筋、縫工筋の付着部)の
炎症 - 腱同士が擦れあうことや、腱と骨がすれ合うことで炎症が生じる
- 主な原因
- 筋力不足
- 不適切な筋肉の使い方
- 骨の成長と筋の伸びとのアンバランス
- からだの柔軟性不足
- オーバートレーニング
- 選手の体力や技術に合わない練習
- 不適切な靴(サイズが合っていない、靴底が斜めにすり減っているなど)
- スポーツの練習場などが硬すぎたり柔らかすぎる
鵞足炎(鵞足滑液包炎)の症状
- 運動後や運動中に膝の内側(鵞足部)に痛みが出る
- 鵞足部を押さえると痛みが出る
鵞足炎(鵞足滑液包炎)の検査・診断
- 基本的に
問診 と診察から診断される- 鵞足部を押すと痛みが出ることが特徴的
症状 の似た別の疾患を除外するための診察と検査- 他部位の圧痛の確認
レントゲン 検査:骨折など他の病気でないことを確認するMRI 検査:半月板 や靭帯 損傷の可能性がある場合に確認する
鵞足炎(鵞足滑液包炎)の治療法
- 主な治療
- 急に痛みが発生した場合
- 患部を冷やし、テーピングで固定する
症状 が長く続く場合- 一定の期間が過ぎたら、患部を温めたり積極的に動かして血行を促進する
- 軽症の場合
- 膝を安静にしてなるべく運動を避ける
炎症 が治まり数週間で自然と治まる
- 痛みが強い場合
- アイシング:安静を保ちつつ患部を冷やす
- 消炎鎮痛剤(シップや塗り薬)を使って炎症を抑える
ステロイド を患部に注射することがある
- 急に痛みが発生した場合
- 予防法と再発予防法
- 普段から鵞足部やその周辺(ハムストリングス、内転筋など)の筋力トレーニング・ストレッチングを行う
- ジョギングやランニングは、クッション性の高い靴を履き平坦な道で行う
鵞足炎(鵞足滑液包炎)のタグ
鵞足炎(鵞足滑液包炎)に関わるからだの部位

