円板状エリテマトーデスの基礎知識
POINT 円板状エリテマトーデスとは
顔、首、肩などにできる赤い丸い発疹です。全身性エリテマトーデス(SLE)の方の15-30%程度にも見られる発疹です。そのため、この発疹が見られた場合は全身性エリテマトーデスに注意が必要です。そのため、場合により血液検査や皮膚生検(皮膚の組織の一部をとって顕微鏡で調べる)を行います。日焼けを避ける必要があります。全身性エリテマトーデスがある場合はこれらの治療を、ない場合はステロイドの外用薬を使います。ステロイドの外用薬のみで良くならない場合はステロイドの飲み薬や免疫抑制薬を使うこともあります。気になる方は皮膚科、リウマチ内科、膠原病内科を受診してください。
円板状エリテマトーデスについて
- 顔、首、肩などにできる赤い丸い
発疹 - 全身性エリテマトーデス(SLE)でもこの発疹が見られることがある(15-30%程度)
罹患率 は人口10万人あたり3人症状 が出る部位により分類がある- 局在型:頭や首にのみ皮膚症状が起こるタイプ
- 汎発型:首より下の体幹や腕、脚などにも
病変 が広がるタイプ
円板状エリテマトーデスの症状
- 主な
症状 - 顔、頭皮、耳などに赤い
発疹 ができる - 汎発型では、頭や顔だけでなく体や腕、脚にも症状が出る
- 顔、頭皮、耳などに赤い
- 特徴的な症状
- 日光を浴びる場所に起こることが多い
- その為、頭や顔に起こりやすい
皮疹 は、赤く丸っぽいもので輪郭がはっきりしている- 表面がかさついて、ぼろぼろかすが溢れる
- 日光を浴びる場所に起こることが多い
- 発疹は1つの場合もあれば多数の場合もある
- 治っても痕が残ることが多い
- 頭皮の
病変 は、治ってもその部分には髪の毛が生えなくなる
- 頭皮の
円板状エリテマトーデスの検査・診断
- 血液検査
- 一部の方で全身性エリテマトーデスの
症状 の一つとして現れるため、背景に全身性エリテマトーデスがないか調べる
- 一部の方で全身性エリテマトーデスの
- 診断の確定や、他の病気でないことを確認するために、
生検 し顕微鏡検査を行う
円板状エリテマトーデスの治療法
症状 がひどくならないように、直射日光を避ける工夫を行うステロイド 外用薬 、免疫 抑制薬(タクロリムス)の外用薬を使用する- 治療に難渋して、なかなか治らないことが多い
- 再発を繰り返すと有棘細胞がんになることもある
円板状エリテマトーデスの経過と病院探しのポイント
円板状エリテマトーデスが心配な方
円板状エリテマトーデスでは、顔などに赤く丸い、カサカサとした皮膚の変化が現れます。
ご自身の症状が円板状エリテマトーデスでないかと心配になった時、最初に受診するのは皮膚科が良いでしょう。円板性エリテマトーデスの診断は問診と診察で行います。また、他のものと紛らわしい場合には、皮膚生検といって、患部の皮膚を少量だけ採取して顕微鏡で観察することが確実な診断のためには最も有用です。
また、皮膚の症状に加えて関節の痛みや腎機能の低下がないかどうかを確認することも重要です。皮膚以外の症状もある場合には診断が全身性エリテマトーデス(SLE)となって変わってくるためです。これらの総合的な検査も合わせて行うため、皮膚科や膠原病科のある総合病院の受診をお勧めします。
円板状エリテマトーデスでお困りの方
円板状エリテマトーデスは自己免疫疾患といって、免疫細胞(白血球)が不適切に活動してしまうことが原因の病気です。したがって治療は、この免疫細胞の働きを抑えるような内服薬になります。
円板状エリテマトーデスの診断がついた後の治療には、ある程度決まったものがあります。例えば大学病院でなければ行えないような特殊な治療があるというわけではありませんので、病院の規模や設備よりも、主治医として信頼できる医師を見つけることが重要です。この病気は適切な治療を行っていても症状を抑えるのに時間がかかったり、再発を繰り返したりすることがあります。そのような時に疑問を伝えて相談できるような、信頼できる主治医を見つけることが大切です。