角膜ジストロフィーの基礎知識
POINT 角膜ジストロフィーとは
目の表面の「角膜」と呼ばれる場所が、白く濁る遺伝性の病気のことです。角膜ジストロフィーが起こると物が見えづらくなる物が歪んで見える、まぶしく感じやすくなるなどの症状が現れます。眼科検査(視力検査や視野検査、細隙灯顕微鏡検査など)に加えて遺伝子検査を行い診断が行われます。角膜の濁りをとるためにレーザー治療や角膜移植を行いますが、治療をしても再発することがあります。角膜ジストロフィーは専門的な治療が行える医療機関の眼科で行われます。
角膜ジストロフィーについて
- 眼の表面の「角膜」と呼ばれる場所が、白く濁る遺伝性の病気
- 20歳前後で
発症 することが多い
角膜ジストロフィーの症状
- 視力が低下する
- 物が歪んで見える
- まぶしく感じやすくなる
角膜ジストロフィーの検査・診断
- 眼の表面や奥を診て調べる
- 原因となる遺伝子に異常がないか検査を行う
角膜ジストロフィーの治療法
- 主な治療
- レーザー治療:レーザーで角膜についた濁りを削り取る
- 手術:角膜移植
- 角膜移植を行った後に問題がでなけれ、その後の経過は良好である
- 治療を行って角膜がきれいになっても、再度同じように角膜が濁ってくることがある
角膜ジストロフィーの経過と病院探しのポイント
角膜ジストロフィーが心配な方
角膜ジストロフィーは、角膜が白く濁ることで視力が低下したりまぶしく見えたりする遺伝性の疾患です。ご両親に角膜ジストロフィーがあってご自身も見え方に異常を感じている場合には、まず一度お近くの眼科クリニックを受診して診察を受けることをお勧めします。最初にかかるのは特別な専門医療機関である必要はなく、一般的な眼科クリニックで構いません。その際は、家族に角膜ジストロフィーの方がいる方はそのことをぜひ医師に伝えるようにしてください。
角膜ジストロフィーでお困りの方
角膜ジストロフィーにはレーザー治療がよく用いられます。角膜が混濁してきたらその部分をレーザーで削るという治療で、症状の改善に有効です。しかし、削った後でもまた濁りが生じてきてしまう可能性があります。加えて角膜の深い部分まで混濁がある場合には全てを削ってしまうわけにいかないため、この治療を行うことができません。深い部分まで混濁がある場合には、角膜移植が必要となります。
角膜移植については行っている施設が限られていますが、必ずしも大病院ではなく、クリニックで手術を行っているところもあります。どの病院で手術を受けるかは迷われるところかと思います。一つの目安となるのは、病院ごとの手術件数です。多くやっていれば良いという単純なものではありませんが、その地域内で比較した時に件数が少なすぎないことは参考になるかもしれません。また、大きい病院ほど当然手術件数は多くなりますが、眼科専門医一人あたりの手術件数も目安になるのではないでしょうか。大病院ではこのような病院ごとの手術件数が公開されているので病院を探す際の参考項目の一つとするのも良いでしょう。