てはくせん(てのみずむし)
手白癬(手の水虫)
真菌(カビ)の一種である白癬菌(水虫の原因菌)が手に感染した状態
5人の医師がチェック 93回の改訂 最終更新: 2022.04.01

手白癬(手の水虫)の基礎知識

POINT 手白癬(手の水虫)とは

真菌(かび)の一種である白癬菌が手に感染した状態を指します。いわゆる手の水虫です。症状は手の皮膚が赤くなったり白くなったり、水疱ができたりします。皮膚の組織の一部を採取して顕微鏡で観察し白癬菌を見つけだすことで診断します。治療として患部を清潔に保つことと抗菌薬を使用します。手白癬が心配な人や治療したい人は、皮膚科や感染症内科を受診してください。

手白癬(手の水虫)について

  • 真菌(カビ)の一種である白癬菌によって、手にできた水虫のこと
  • 症状によって角質増殖型と小水疱型の2つに分けられる
  • 白癬患者の3%の頻度で発症する
    • 手白癬は片手だけに生じることが多い
  • 足白癬(いわゆる水虫)からうつることが多い

手白癬(手の水虫)の症状

  • 皮膚の変化
    • 角質が硬く厚くなったり、ぼろぼろはがれたりする
    • 厚く白くなったり、赤みを帯びたり、小さい水疱(ぶつぶつ)ができたりする
    • かゆみがある場合もある
  • これらの症状のうちいくつかが、まず片側にだけ現れる場合が多い
    • 似たような症状の出る手湿疹であれば、両側の手に症状が出やすい

手白癬(手の水虫)の検査・診断

  • 顕微鏡検査:皮膚の組織を顕微鏡で観察して、白癬菌があるかを調べる
    • 白癬菌が見つかれば診断される

手白癬(手の水虫)の治療法

  • 外用薬
    • 基本は、白癬菌に対する抗真菌薬が用いられる
  • 内服薬は基本的に用いないが、以下の場合には使用する
    • 爪に症状が出ている場合
    • 広範性、難治性、再発性が高い場合 など
  • 予防、再発予防方法
    • 清潔を保ち、蒸れないように注意する
    • 感染源となりやすい、スリッパ、浴室の足拭きマットなどは頻繁に取り替える

手白癬(手の水虫)の経過と病院探しのポイント

手白癬(手の水虫)が心配な方

手白癬手の水虫)では、手のひらや手指の間の皮膚にさまざまな変化が生じます。色が白くなるだけだったり、皮がむけたり、他の部位と比べてがさつきが増したりといった様々な症状があります。典型的なものは、慣れた人が見ればそれなりの割合で手白癬だと診断がつけられますが、本当に白癬かどうかを確定するには、はがれた皮膚を採取して顕微鏡で観察します。

ご自身の症状が手白癬でないかと心配になった時には、お近くの皮膚科クリニックで相談してみることをお勧めします。白癬は皮膚科の中でも最もメジャーな病気の一つです。悩む前に診察を受けて、診断をはっきりさせた方が治療に取り組みやすくなります。

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手白癬(手の水虫)でお困りの方

手白癬の治療は、塗り薬が基本です。爪にまで症状が及んでいる場合には内服薬を使用することもあります。詳しくは爪白癬のページもご参考になさってください。手白癬については、診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、どのような治療を受けるか迷う余地は少ない病気かもしれません。手白癬であるのになかなか診断がつかずに複数の病院を渡り歩く必要があったり、手白癬の塗り薬、内服薬を正しく、適切な期間使用したにもかかわらず治らないということはあまりありません(爪白癬は除きます)。

なお、薬局やコンビニエンスストアでも水虫薬を販売しているところがあります。もしこれらの薬を既に自己判断で使用している場合、皮膚科を受診する前には1週間ほど薬を休んでから受診することをお勧めします。薬を使用中だと白癬菌の数が減っていて、検査をしても見つからず診断がつかないことがあるためです。自己診断が合っていて、かつ薬を正しく使っていればそれで治ってしまうこともありますが、診察を受けることをお考えであればこのような段取りを踏んでからの受診が良いでしょう。

治療自体が長引くことはありますが、皮膚の角質が入れ替わるまで根気強く治療を続けることが必要です。症状が外見上治まるタイミングと、本当に菌がいなくなるタイミングにはズレがあります。見た目上治ったからと言ってそこで治療を中断してしまうとまた再発して治療が仕切り直しになってしまうため、場合によっては数か月間、通院しながら治療を行うことが必要となります。

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