へんとうひだい、あでのいどぞうしょくしょう
扁桃肥大、アデノイド増殖症
口の奥にある扁桃(口蓋扁桃)やアデノイド(咽頭扁桃)が大きくなった状態。病気ではなく正常な範囲のものから、感染が原因で起こる異常なものまでがある
6人の医師がチェック 92回の改訂 最終更新: 2021.05.05

扁桃肥大、アデノイド増殖症の基礎知識

POINT 扁桃肥大、アデノイド増殖症とは

咽頭扁桃(鼻の奥にある扁桃)や、口蓋扁桃(口をあけるとのどの奥の両側にある扁桃)が大きく腫れた状態です。アデノイドや口蓋扁桃は3〜6歳で大きさのピークとなります。異常に大きくなった場合は、鼻づまり、いびき、口呼吸、睡眠時無呼吸症候群、食事量の減少、はなし声の変化、胸の骨や顔の骨の形態異常などの症状が現れます。診断のために診察やX線検査、内視鏡検査(鼻の奥を観察するための機械)が行われます。いびきがある場合は睡眠時無呼吸の有無について詳細な検査を行うこともあります。症状のない場合は経過観察できますが、睡眠時無呼吸がある場合や、滲出性中耳炎や、上気道炎を繰り返す場合には手術をおこないます。

扁桃肥大、アデノイド増殖症について

  • 細菌ウイルスなどから体を守る役割があると考えられているアデノイドが大きくなった状態
    • 生理的に5-6歳で扁桃やアデノイドの大きさはピークとなり、その後は徐々に小さくなっていく
    • しかし、その過程で異常に大きくなることによって様々な症状が引き起こされる
  • 主な原因
    • 細菌
    • ウイルス
    • がん(頻度はまれ)
  • 病気が原因とは限らず、軽度のものであれば問題ないことがほとんど

扁桃肥大、アデノイド増殖症の症状

  • 軽度であれば自覚症状はない
  • 主な症状
    • 飲み込む際に不快感や痛みがある
    • アデノイドの肥大により、鼻をつまんだ時のような声になる
    • いびき(睡眠時無呼吸症候群の原因となる)
  • 中耳炎慢性副鼻腔炎の原因にもなる
    • 繰り返すこともある

扁桃肥大、アデノイド増殖症の検査・診断

  • 診察と問診アデノイドが大きくなっていることを推測する
  • 画像検査
    • レントゲン検査
    • CT検査
    • MRI検査
  • 鼻咽腔ファイバー(鼻の中にファイバーを入れて観察する検査)
  • 必要に応じて以下の確認を行う

扁桃肥大、アデノイド増殖症の治療法

  • 薬物療法が行われることが最も多いが、原因や症状によって薬が異なる
    • 抗菌薬抗生物質):感染の原因が細菌である場合に用いられる
    • 痛み止め:症状に応じて処方される
  • 睡眠時無呼吸症候群の状態や、感染症を繰り返す場合などは手術によって肥大した扁桃アデノイドを切除する

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