なんこつむけいせいしょう
軟骨無形成症
軟骨を十分に作り出すことができないため、手足が短く、身長も低くなる、生まれつきの病気
8人の医師がチェック 73回の改訂 最終更新: 2022.07.04

軟骨無形成症の基礎知識

POINT 軟骨無形成症とは

軟骨を十分に作り出すことができないために、手足が短く、身長が低くなる生まれつきの病気です。低身長や手足が短い、頭が大きい、運動の発達の遅れ、などが主な症状です。軟骨無形成症が疑われる人にはレントゲン検査が行われて、骨と軟骨の成長具合が調べられ、成長ホルモンの注射や四肢延長術などの治療が行われます。軟骨無形成症の人は小児科や新生児科で診療が行われます。

軟骨無形成症について

  • 軟骨を十分に作り出すことができないため、手足が短く、身長も低くなる、生まれつきの病気
  • 主な原因
    • 遺伝子(軟骨をつくることに関わる遺伝子)の異常
    • 遺伝子異常による病気であるが、家族から伝わるよりも突然変異の方が多い
  • 2万人に1人の発症

軟骨無形成症の症状

  • 主な症状
    • 低身長
      • 120-130cm程度のことが多い
    • 手足が短い
      • 座高は比較的保たれていることが多い
    • 頭が大きい、前頭部が突出している、鼻の根元が陥没しているなどの特徴がある
    • 運動の発達が送れる
      • 知能発達は正常であることが多い
  • 骨の変形により以下の症状が見られることがある
    • 手足を動かしにくくなる
    • 感覚が鈍くなる
    • 水頭症(頭蓋骨の変形により、頭のなかの脳脊髄液という液の通りが悪くなった状態)
      • 水頭症の場合、無呼吸による突然死につながることもある
  • その他

軟骨無形成症の検査・診断

  • 特徴的な体型や顔から病気を疑う
  • レントゲン検査:骨と軟骨の成長具合を調べる

軟骨無形成症の治療法

  • 現時点で根本的な治療法はない
  • 対症療法
    • 成長ホルモンの注射:低身長に対して用いる
    • 骨形成促進薬:ボソリチド(ボックスゾゴ®)の皮下注射が行われることもある
    • 四肢延長術:骨を一度切り、隙間を作った状態で固定することで身長を伸ばす
    • シャント術(脳に溜まった水を排出する):水頭症に対して行う
  • 乳幼児を過ぎると生命に関する経過は良好であることが多い
  • 成人では脊柱管狭窄症を合併して麻痺が出る場合があるため、注意が必要

軟骨無形成症に関連する治療薬

下垂体ホルモン製剤(成長ホルモン製剤)

  • 成長ホルモンを体内に補うことで、低身長、骨の異常、筋力低下などの症状を改善する薬
    • 下垂体から分泌される成長ホルモンは背を伸ばしたり、筋肉、骨などを強くしたりする働きをもつ
    • 何らかの理由により成長ホルモンの分泌が不足すると、低身長や骨の変形などの症状があらわれる場合がある
    • 本剤は成長ホルモン製剤であり不足している成長ホルモンを体内に補う作用をあらわす
  • 慢性腎臓病などにおける成長ホルモンの補充目的で使用する場合もある
下垂体ホルモン製剤(成長ホルモン製剤)についてもっと詳しく

軟骨無形成症のタグ

診療科
からだ