あきゅうせいこうじょうせんえん
亜急性甲状腺炎
甲状腺に炎症が起きる病気。治癒するまでに数か月かかることがあり、急性と慢性の中間で「亜急性」と呼ばれる
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最終更新: 2023.06.20
亜急性甲状腺炎の基礎知識
POINT 亜急性甲状腺炎とは
首の前にある甲状腺に炎症が起きる病気で、ウィルス感染が原因とされます。甲状腺の強い炎症のため、首の痛み、皮膚が赤み、飲み込み時の痛み、発熱などがおこります。甲状腺ホルモンが一時的にたくさん出て、動悸、手の震え、発汗、全身のだるさなどの、甲状腺機能亢進症の症状がでます。診断は超音波検査や血液検査で行われます。自然に治ることが多いので、痛み止めを使いながら経過をみます。痛みが強い人はステロイド薬を使ったり、動悸や手の震えを抑える薬を使います。治療は内分泌内科や耳鼻咽喉科、一般内科などで行いますので、首の前が腫れて強い痛みがある人は受診してください。
亜急性甲状腺炎について
- 首の前の部分にある甲状腺に炎症が起きる病気
- 病気自体が治癒するまでに数か月かかることがあるため、急性と慢性の中間ということで「亜急性」と呼ばれている
- ウイルス感染が原因と考えられている
- 男性よりも女性に圧倒的に多い
- 30-40代で発症しやすい
- 6-9月の夏季の発症が多い
- 甲状腺ホルモンの分泌が刺激され一過性に甲状腺機能亢進症の症状を起こすこともある
亜急性甲状腺炎の症状
- 首の前の部分の痛み(耳の後ろや後頭部も痛くなることがある)
- 嚥下痛(飲み込んだときの喉の痛み) (痛みは片側から始まり、数週ほどで反対側に移動することがある)
- 発熱
- 甲状腺の障害が重いと、以下の甲状腺機能亢進症の症状が現れることがある
- 全身のだるさ
- 動悸
- 手の震え(振戦)
- 汗をたくさんかく
亜急性甲状腺炎の検査・診断
- 甲状腺超音波検査:甲状腺に異常がないかを調べる
- 血液検査:炎症の程度を調べる
- 甲状腺シンチグラフィ:Basedow病や亜急性甲状腺炎など甲状腺のほかの病気と区別するために行われることがある
亜急性甲状腺炎の治療法
- 自然に治ることが多いため、対症療法となることがほとんど
- 主な治療は薬物療法
- NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤):熱や痛みを抑える
- ステロイド薬:痛みがひどい場合に処方されることがある
- β遮断薬:動悸や振戦などの症状に対して処方される
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