けっかくせいせきついえん(せきついかりえす)
結核性脊椎炎(脊椎カリエス)
結核菌が脊椎(背骨)に感染する病気。椎体が破壊され変形してしまうことで後遺症がのこることが多い
6人の医師がチェック 79回の改訂 最終更新: 2020.07.13

結核性脊椎炎(脊椎カリエス)の基礎知識

POINT 結核性脊椎炎(脊椎カリエス)とは

結核菌が椎体に感染した状態のことです。椎体は破壊されて変形することが多いです。変形した骨によって神経が圧迫されると、痛みやしびれ、感覚の異常が出てきます。 検査を行う場合は、レントゲンやCT検査で骨の状態を観察し、細菌学的検査で結核菌の存在を確認します。初期に自覚しやすい症状が痛みやしびれなので、最初に整形外科や神経内科を受診することが多いですが、結核性脊椎炎と判明した場合は感染症内科を紹介されることも多いです。

結核性脊椎炎(脊椎カリエス)について

  • 結核菌脊椎背骨)に感染し、障害を起こす病気
    • 体内に潜伏していた結核菌が脊椎に移動して、脊椎で繁殖する
      • 多くの場合は骨以外で感染していた結核菌が血流に乗って脊椎に移動する
    • した部分の腫脹や骨の変形が脊髄を圧迫することで症状が起こる
  • 主な原因
    • 結核感染の無治療状態
    • 加齢
    • 免疫力の低下
      • 糖尿病
      • がん状態(がん患者)
      • 免疫抑制剤の使用
      • 透析患者
  • 幼児や高齢者に多い
  • 腰椎または胸椎(胸から腰にかけての背骨)に起こることが多い
    • 椎体に感染すると骨の破壊と変形が起こる
    • 椎体の内側を走っている脊髄に影響が及ぶとしびれや痛みなどが出現することがある
  • 椎体の感染だけであれば体外に結核菌が出にくいため感染性は低いが、肺や皮膚にも感染がある場合には感染性を考慮する必要がある

結核性脊椎炎(脊椎カリエス)の症状

  • 腰痛:安静にしていても痛みがでる
  • 発熱
  • 倦怠感
  • 運動麻痺:手足(特に足)のしびれ、動かしにくさ
  • 感覚障害:感覚が鈍くなる

結核性脊椎炎(脊椎カリエス)の検査・診断

  • 細菌学的検査:結核菌がいるのかを調べる
    • 抗酸菌塗抹検査
    • 抗酸菌培養検査
    • 結核遺伝子検査
  • 血液検査:全身の状態や炎症の程度を調べる
  • 画像検査:脊椎の骨折やずれなどを調べる
    • レントゲン検査(X線写真)
    • CT検査
    • MRI検査:脊髄背骨の中を通る神経)の障害を調べるために行う
    • 骨シンチグラフィ:脊椎のどの部分に障害が及んでいるかなどを調べる

結核性脊椎炎(脊椎カリエス)の治療法

  • 主な治療
    • 保存療法
      • コルセットや腰専用の装具をつけて安静にする
    • 薬物療法抗結核薬の点滴や内服で結核菌を殺す
      • 結核薬を単独で用いても結核菌型異性化して効かなくなってしまうため、治療には3,4種類の抗結核薬を用いる
      • 治療によく用いられる抗結核
        • イソニアジド
        • リファンピシン
        • ピラジナミド
        • エタンブトール
        • ストレプトマイシン
    • 外科的治療(手術)
      • 骨移植:感染した脊椎を取り除き、新しい骨を移植する
      • 脊椎前方除圧固定術:感染した脊椎を取り除き、プレートで固定する
  • 予防
    • 免疫力の低下を予防することが重要
    • BCGワクチンの接種は結核感染を予防するため、感染のリスクの高い場合はワクチン接種を医師と相談する
      • 免疫力の落ちている人
      • 結核の人と接触する可能性の高い人
    • 重症化する前に治療をすることが重要
    • 結核に感染した場合、症状が改善した後に脊椎カリエスとなることもあるため、薬の飲み方などは医師の指示を守ることが重要

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