きゅうせいにゅうせんえん
急性乳腺炎
乳腺が何らかの理由で炎症を起こした状態。感染や乳汁がうっ滞することで起こる
8人の医師がチェック 135回の改訂 最終更新: 2017.12.06

急性乳腺炎の基礎知識

POINT 急性乳腺炎とは

乳腺が何らかの理由で炎症を起こした状態です。主な原因は、乳腺がうっ滞した場合と細菌によって感染が起こった場合になります。急性乳腺炎の症状は、皮膚が赤くなる・腫れる・しこりができるなどになります。症状が強い場合は、高熱を出すこともあります。 診断は、触診・画像検査・細菌検査を総合して行います。うっ滞性乳腺炎の場合は乳房マッサージを行い、化膿性(感染性)乳腺炎の場合は抗菌薬を投与することになります。急性乳腺炎が気になる人や治療したい人は産婦人科にかかって下さい。

急性乳腺炎について

  • 乳腺が何らかの理由で炎症を起こした状態
  • 分類
    • うっ滞乳腺炎(感染以外の原因による乳腺炎
      • 乳汁がうまくでない場合に乳汁が溜まってしまうことで起こる
    • 乳腺炎(感染による乳腺炎
      • 乳腺が細菌による感染を起こした状態(乳児が乳を吸う際に乳頭を傷つけることで起こることが多い)
  • 原因
    • 授乳または搾乳開始の遅れ
    • 授乳方法が不適切(児の哺乳が浅いなど)でありため、効果的に子どもが吸えていない
    • 授乳回数が少ない
    • 乳頭に亀裂がある
    • 乳汁の分泌が過多である
    • 急に授乳や搾乳をやめてしまった

急性乳腺炎の症状

  • 乳房に起こる症状
    • 痛みが出て赤く腫れる
    • しこりができる
    • 上記の症状が搾乳しても改善しない場合は急性乳腺炎が疑われる
  • 乳腺炎の方が、うっ滞乳腺炎よりも症状が強いことが多い
  • 化膿性乳腺炎では38度以上の高熱が出ることもある
    • 脇の下で体温を測定すると乳房の熱感が反映されてしまうことがあるため、肘の間や口腔内で体温を測定するようにすると良い
    • 膿が溜まると痛みや赤みが強くなる

急性乳腺炎の検査・診断

  • 診察:乳腺の状態を確認し、触診で腫瘍がないかなどを調べる
  • 血液検査:炎症があるかどうかなどを調べる
  • 画像検査
    • マンモグラフィー
    • 胸部CT検査
    • MRI検査
    • 超音波検査
  • 乳汁を採取して細胞診細菌検査を行う(炎症性乳がんではないのか調べる)

急性乳腺炎の治療法

  • うっ滞乳腺炎の主な治療
    • 乳房マッサージや搾乳で乳汁の流れを良くすれば治る
  • 乳腺炎の主な治療
    • 抗菌薬を使用して授乳の中止を検討する
    • 乳頭損傷が酷く直接授乳で痛みが強い場合には、搾母乳を児へ投与するようにする
    • 抗菌薬で効果がない、もしくは乏しい場合
      • 局所麻酔をして針を刺して膿を出すこともある
  • 急性乳腺炎の予防
    • 授乳が原因で起こる乳腺炎に関しては基本的に予防が可能ですあるので、乳汁のうっ滞が起こらないように適切な授乳方法を身につけることが大切である
    • 乳腺炎は反復しやすいため、症状が出た場合には病院を受診するようにしておく
      • 医師や助産師に相談して、正しい授乳方法や搾乳の方法など自宅で行うことができる乳房のセルフケア方法を習得することが大切である

急性乳腺炎のタグ

急性乳腺炎に関わるからだの部位