ししゅうびょう
歯周病(歯周炎、歯肉炎)
細菌感染により歯の周囲に炎症が起きる病気
4人の医師がチェック 47回の改訂 最終更新: 2021.07.30

歯周病(歯周炎、歯肉炎)の基礎知識

POINT 歯周病(歯周炎、歯肉炎)とは

細菌感染を原因として歯の周囲に炎症が起こる病気の総称で、かつては歯槽膿漏(しそうのうろう)と呼ばれていました。歯周病は細菌感染が原因であり、進行すると歯を失うことになります。歯周病になると「歯肉の腫れ」や「歯茎からの出血」「口臭」などの症状が現れます。診断には特別な検査を必要とすることは少なく、見た目で診断が行われることが多いです。歯周病の原因となる除去やブラッシングが治療になります。歯周病が心配な人は歯科を受診してください。

歯周病(歯周炎、歯肉炎)について

  • 細菌感染により歯の周囲に炎症が起きる病気の総称(歯肉炎歯周炎を含む)
    • 炎症が歯肉にとどまっていれば「歯肉炎」であり、周りの歯や骨に炎症が広がれば「歯周炎」となる
  • 生活習慣病の一種で、中高年であれば実に約8割がこの病気にかかっている
  • 以下が歯周病になるリスクと言われている
    • 歯垢・歯石
    • 歯ぎしり
    • 不適合な冠や義歯
    • 不規則な食習慣
    • 喫煙
    • ストレス
    • 全身疾患(糖尿病骨粗鬆症ホルモン異常)
  • 歯周病が原因で産生された炎症反応物質が血液を介して全身に広がり、循環器・呼吸器疾患や糖尿病骨粗鬆症に影響を与えると考えられている
    • 歯周病の原因となっている細菌が血管の中にまで侵入して、感染性心内膜炎という重症な感染症になることがある
    • 心臓内に人工弁を入れている人や過去に感染性心内膜炎の既往(経験)がある人、先天性心疾患を指摘されている人は特に注意が必要である
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歯周病(歯周炎、歯肉炎)の症状

  • 初期の症状
    • 歯肉の腫れ
    • 出血
    • 口臭
    • 噛む時に感じる違和感
  • 進行すれば歯をささえる骨を溶かし、歯がぐらぐらし始め、やがて歯が抜ける
症状の詳細

歯周病(歯周炎、歯肉炎)の検査・診断

  • 生活習慣の問診(状況を詳しく聞く)
  • 診察:口の中の観察
  • X線検査
  • 噛み合わせの検査
  • 細菌培養検査
検査・診断の詳細

歯周病(歯周炎、歯肉炎)の治療法

  • 治療で何よりも大切なことは口の中の清潔を保つことである
    • 口腔内の生活を保っても歯周病が改善しない場合や歯周に膿瘍がある場合には次の治療が検討される
      • 歯周ポケット内洗浄
      • 歯周ポケット内抗菌薬投与
      • 抗菌薬の内服
  • 本人・医療者が協力して口の中を清潔に保ち、予防・治療後の再発防止に努めることが大切である
    • 歯垢・歯石の除去
    • 自宅でのブラッシング
  • 免疫不全がある人や感染性心内膜炎の既往がある人、人工弁を心臓内に入れている人は、歯周病に対する処置の際に抗菌薬の内服を勧められる可能性がある
治療法の詳細

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