アキレス腱断裂の治療法によって治りを比較する研究
フィンランドの研究班が、研究結果を専門誌『American Journal of Sports Medicine』に報告しました。
この研究は、アキレス腱断裂の患者60人を対象に、治療法による違いを比較しています。
対象者は、手術をするグループと手術以外の治療をするグループにランダムに分けられました。
手術なしのグループでは、ギプス固定を1週間、装具療法を6週間行いました。手術をしたグループでは、手術後の治療は手術なしのグループと同じとしました。
足首の動き、身体機能、痛みは手術のほうがよい
治療18か月後に比較した結果、足首を動かすときのピークトルク(動作の計測値)は手術のほうがやや勝っていました。また、患者に質問紙で聞き取った身体機能と痛みは手術のほうが良い傾向がありました。
まとめ
治療後18か月の時点で手術のほうがやや勝る結果でした。手術なしで治療する方法には、手術の傷跡が残らないなどのメリットもあります。
治療法を比較したデータが残されることで、それぞれの良い点・悪い点を考える材料として役に立ちます。
執筆者
A Prospective Randomized Trial Comparing Surgical and Nonsurgical Treatments of Acute Achilles Tendon Ruptures.
Am J Sports Med. 2016 Sep.
[PMID: 27307495]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。